CIAがフランスにLSDを“空中散布”して人体実験!? 村民が次々死亡・不調に… 未解決「呪われたパン」事件全貌!
■原因はライ麦パン?
食中毒の原因はすぐに特定された。それは町のパン屋が製造・販売していたライ麦パンで、使っていた小麦粉の品質が悪かったため、麦角(ばっかく)中毒が起きたのではないかというのである。
小麦やライ麦の穂が麦角菌に感染すると、俗に「悪魔のツメ」とも形容される黒い菌核(麦角)が現れる。麦角には麦角アルカロイドと呼ばれる毒性物質が含まれており、小麦粉に混じって人間が摂取してしまった場合、循環器系や神経系に様々な症状を起こし、最悪の場合は死に至ることもある。現代では製粉段階で除去されて食中毒を引き起こすことはまずないとされているが、中世ヨーロッパでは幾度となく中毒事件を引き起こしている。
事件の調査によって、「呪われたパン」の原因は麦角の混入であることが強く疑われた。この他にも、穀物を保存する際に使われた殺菌剤に含まれた水銀が原因という説、保存中に発生したカビによるマイコトキシンが原因という説、さらには小麦粉の漂白に使われた違法物質に含まれる三塩化窒素原因説も浮上したが、はっきりとした原因は今でもよくわかっていない。
だが2009年、アメリカのジャーナリストH・P・アルバレリ・ジュニア氏が新たな説を提唱した。それはCIAがパンにLSDを混入、あるいはポン=サン=テスプリに空中散布したというものである。
■原因はLSD?
麦角とLSDの関係は深い。というのも、LSDは麦角アルカロイドの研究から生まれたからだ。1943年、スイス人化学者アルバート・ホフマン氏は麦角アルカロイド精製物の研究中、偶然、LSDの幻覚作用に気づいたのである。
CIAはLSDの効能に早くから着目し、自白剤としての利用を研究していたことが知られている。さらに後の「MKウルトラ計画」では、マインドコントロールへの応用が模索され、精神科の患者らに多量のLSDを無断で投与する実験などが行われていた。
※ 詳しくはこちら:【ガチ】CIA洗脳実験「MKウルトラ」被害者40人がカナダ政府を集団訴訟へ! 通電、LSD大量投与…激ヤバ人体実験の全貌!
そしてアルバレリ氏は「Re:Pont-Saint-Esprit and F.Olson Files」と題されたCIAの文書を発見した。それによると、事件当時、ポン=サン=テスプリから数百キロほどの場所にあった製薬会社サンド社でLSDが製造されていたという。小さな町を悲劇に陥れたのは、粗悪なライ麦パンではなく、密かに作られていたLSDによる実験だったというのがアルバレリ氏の説である。
フランスでアメリカの諜報機関が極秘裏に人体実験を行っていたとすれば大問題であり、アルバレリ氏は政府による調査が必要だと訴えている。だが、今の所それが行われた形跡はない。また、フランスの諜報機関が関わっていた可能性も指摘されている。
悲惨で奇妙な食中毒事件の陰には、CIAを中心とした超国家的な陰謀が隠されているのだろうか? 「呪われたパン」の正体は一体何だったのか、その謎は今もくすぶっている。
(編集部)
参考:「Telegraph」、「BBC」、「Wikipedia」、ほか
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