ヒトと動物を組み合わせた実在するハイブリッド5選! ニワトリ人間、人工肛門マウス、人乳ヤギ…!
近年の科学の急速な発展により、人間と動物の細胞や組織を融合させる試みが世界中で行われている。フィクションの世界のように巨大で醜悪なモンスターが生まれるようなことは(幸いにも)まだ起こっていないが、それでも我々の心を揺さぶるような研究が実際に行われているのは確かだ。我々の常識や倫理観を試すようなハイブリッド研究を5つご紹介しよう。
■ウサギの卵子と融合
2003年、中国の科学者らはウサギの卵子と人間の皮膚細胞を融合させたハイブリッド胚を作成した。この胚は人間のDNAとウサギのミトコンドリアDNAを持ち、100個以上の胚が培養皿の上で数日間発達したが、最終的には破壊されて胚性幹細胞を作るのに使われたという。
■人間の肛門括約筋をマウスに
2011年に米国で、肛門括約筋を人工的に作ってマウスに移植するという研究が発表されている。この人工肛門括約筋は人間の筋細胞とマウスの神経細胞を混ぜ、円形状に成形したものだ。論文によれば、移植した人工肛門括約筋にはマウスの血液が流れて定着し、機能を果たしたとのことだ。研究者らはいつか人間の治療に応用したいと考えている。
■人間の母乳を出すヤギと牛
2009年、ロシアとベラルーシの研究者らは人間の母乳を分泌する遺伝子組換えヤギを作り出したと発表した。見た目は普通のヤギだが、その乳房から出るのは人間の母乳と同じ成分を含んだミルクだという。このミルクからはおいしいチーズができたという。同様の研究は中国でも行われており、牛に人間の母乳を出させることに成功している。なお、いずれも今のところ製品化はしていないようだ。
■ニワトリと人間のハイブリッド胚
2018年、人間とニワトリのハイブリッド胚が作成されたと話題になった。人間のES細胞から作成した「オーガナイザー」と呼ばれる細胞の塊をニワトリの胚に移植し、その周囲から細長い神経細胞が発生したのを確認したという
詳しくはこちらの記事:【速報】ヒトとニワトリのハイブリッド胚が作成される! 「鳥人間」誕生疑惑でロックフェラー大学研究が物議、理学博士が解説!
■ヒツジと人間のキメラ胚
2018年にはヒツジと人間のキメラ胚(異なった遺伝情報を持つ細胞が混じっている胚)も初めて実現している。作られたのはヒツジの細胞1万個につきヒトの細胞が1個程度含まれるキメラ胚で、最終的には人間へ移植できる臓器を持つヒツジを誕生させることが目的となる。今のところ、その目標に達するにはまだまだ遠いというが、我々が思っているよりずっと近いうちにヒツジを使った“臓器農場”が実現するかもしれない。
詳しくはこちらの記事:【世界初】ヒツジとヒトのハイブリッド胚が誕生! “羊人間”から人間への「異種間臓器移植」が現実化へ
人間と動物の融合という試みは、少しずつであるが進んでいる。人間とそれ以外の動物の違いとは何か、その境界線は今後ますますあやふやになっていくのだろう。
(編集部)
参考:「Listverse」「USA Today」「Telegraph」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊ヒトと動物を組み合わせた実在するハイブリッド5選! ニワトリ人間、人工肛門マウス、人乳ヤギ…!のページです。動物、人間、ハイブリッド、最新研究、キメラ胚などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで