殺人を犯した“いい人”たちの闇 ― 友だちになれそうな死刑囚を犯罪ジャーナリスト片岡健が語る!

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画像は「Getty Images」より引用

■普通の人が殺人を犯して死刑囚になる

——もともと精神に異常を抱えている人が殺人を犯すとかでしょうか?

片岡 本書に登場する人たちは、比較的、何か異常を抱えているけれども、ごく普通な人もいますよね。今は普通に暮らしている人であっても殺人を犯して死刑囚になる可能性はあるなと感じます。

——私達と死刑囚って変わりないなとか思いますか?

片岡 そうですね。たまたま悪いことが重なってその時はいろいろ追い詰められて殺人を犯して死刑囚になるということはよくあります。宮崎県で起きた家族3人殺害事件の奥本章寛は、妻と義母と生後5カ月の長男を殺害したんですが、普通の人でしたよね。話を聞いても正常だと感じました。

参考記事:【死刑囚の実像】被害者遺族からも愛される、不思議な殺人者 ― 宮崎家族3人殺害事件


■義母のきつさに耐えかねて殺害

——奥本が殺人を犯した理由は何だったのでしょうか?

片岡 奥さんの母親、つまり義母がきつい性格だったんです。 義母からいろいろ文句を言われて追い詰められたんです。

——じゃあ怨恨による殺人だったのでしょうか?

片岡 怨恨とも違いますね。追い詰められて視野が狭くなったんですよね。追い詰められて「この生活から脱出するためには殺すしかない」となってしまった。

——もう死刑は確定したんですか?

片岡 3人も殺害しているので確定ですね。ですが、今、彼の弁護人や支援団体が再審請求を出すなどして頑張っています。

——片岡さんも奥本には同情しますか?

片岡 同情しますよね。

 

■殺されたほうが悪人

——殺された義母に非があったとか?

片岡 非があったとまでは言えないと思いますが、原因があったとは言わざるをえないかもしれませんね。奥本は、内に溜め込むタイプだったみたいです。朗らかな性格だと思うのですがひたすら我慢強いというか。あと、視野が狭いところもあったそうですね。

——追い詰められると誰でも殺人を犯してしまうものでしょうか?

片岡 殺す人はみんな視野が狭くなるんです。けれど、なりやすい人はいる。視野が狭くて選択肢が思い浮かばないんです。そんなに嫌なら離婚しちゃえばいいのにと思う人もいるかもしれませんが、人を殺す時はそういう常識的な判断ができなくなるんです。あとは睡眠不足というのもあったと思う。

——寝かせてもらえなかったんですか?

片岡 寝かせてもらえていたとは思うのですが、家に帰りたくなくて車の中で夜に時間をつぶしたりしていた。建設作業員なので、朝五時くらいには起きて出勤しないといけないので、睡眠不足状態が続いていたんです。

——義母もなぜそこまで奥本にきつくあたらないといけなかったのでしょうか?

片岡 結婚前は奥本、自衛隊員だったんですが、辞めたのが気に入らなかったみたいですね。

 宮崎県は産業がそんなに多くはないみたいですし、生活のことを考えると自衛隊のほうが安定していますからね。ただ奥本としては自衛隊もいつまでも続けられないし、結婚するんだから自衛隊以外の仕事を見つけようと思って辞めたらしいですけれど……。

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