【3.11から8年】被災者が魅せる“激やば盆踊り”のグルーヴ感が泣けるほどアゲアゲ! 公開からジワジワ話題のドキュメンタリー映画『盆唄』を見よ!

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©2018テレコムスタッフ

■盆唄はハワイ移民のルーツミュージック

 

 都市化や少子高齢化、過疎化の進行に伴って年々活気を失う日本の盆踊りと様子が大きく違うことが、岩根さんの話からわかる。

 なぜ発祥の地である日本よりもハワイのほうが盛んなのか? これには理由がある。ハワイの日系移民にとって、ボンダンスと盆唄は、日本からの移民であるみずからのアイデンティティと不可分に結びついたルーツミュージックだからだ。

 盆踊りの風習は、日系移民によってハワイに伝えられ根付いた。

 移民の歴史を紐解くと、ハワイにおける日系移民の第一陣は明治元年。1885年には明治政府とハワイ国との協定に基づいた官約移民がハワイに渡る。『盆唄』で中心的に描かれる福島からの移民は、1894年に始まった第三陣に当たる。官約移民(移民当時外務大臣であった長州出身の井上馨の便宜で優遇された、主に西日本出身者)と比べて、福島出身者を中心とする東北地方や沖縄からの移民は、みな貧しくみすぼらしかったために差別を受けた。

 そんな日系一世たちの厳しい境遇、労働環境下での辛い日々を支えたのが故郷福島の盆唄だった。1914年にマウイ島の「福島村」(福島出身者が集まった地域の呼称)のパイア満徳寺で最初のボンダンスが開かれるのだが、そこで歌われた盆唄が、現在のボンダンスで一番盛り上がる「フクシマオンド」として現代に伝わり、マウイ太鼓という、日系人を中心に結成された創作太鼓のグループに継承されている。

©2018テレコムスタッフ

■根を絶たれた人間の物語

 

 存亡の危機に陥った双葉盆唄の未来をハワイのマウイ太鼓グループに託す。このストーリーが『盆唄』を貫く縦糸だ。横糸として描かれているのが、土地から引き剥がされ、寄って立つ根を絶たれた人間と歌にまつわるエピソードたちである。

 たとえば、「フクシマオンド」の原型となった相馬盆唄は福島県の発祥である。映画では、盆唄の原型とも言われる富山県の民謡、「ちょんがれ節」をにたどり着く。天明の大飢饉で人口が3分の1まで減った当時の相馬藩が、浄土真宗のコネクションを使ってリクルートしてきた加賀越中(現在の富山県)からの移民の労働歌だ。ここにも土地と引き離された人間と歌との物語がある。

 また、日系二世たちが作り歌っていたハワイ発の日本語歌謡曲は、第二次大戦を境に敵性音楽とみなされ、聴くことも歌うことも許されなくなった。そんな、土地や文化からの分断を強いられてきた日系移民が生涯を賭けて育て上げてきたハワイの砂糖産業は、2016年、歴史の幕を閉じた。産業構造の変化により採算に合わなくなったことから消えていくサトウキビ畑。

 これらはどれも、双葉の人々が強いられた現実と同じだ。天災、事故、戦争、経済構造の変化といった事情の違いはあれど、どれもが生活の根を張っていた土地とそこに積み重ねてきた歴史、育んできた文化からの断絶を余儀なくされた人間の物語である。

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コメント

1:ドリフ 2019年3月8日 16:35 | 返信

盆回り

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