【3.11から8年】被災者が魅せる“激やば盆踊り”のグルーヴ感が泣けるほどアゲアゲ! 公開からジワジワ話題のドキュメンタリー映画『盆唄』を見よ!

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■『盆唄』という箱舟

 

「俺たちは、祭が好きなのかな?」(今泉さん)
「うんだな。俺は好きだったな。昔から」(横山さん)

 このやり取りは、映画の中で、初めてハワイのボンダンスに参加した夜、宿舎に戻った双葉盆唄グループの2人の間で交わされた会話だ。

 事故までは当たり前のようにそこあった故郷と祭。アイデンティティの在り処を失いかけて初めて、自身と祭、歌との関係に向き合い、その意味を再確認することを迫られる。そして、いつになるともわからない帰還の日に備えて、太平洋を隔てたハワイの人々に「双葉盆唄」という記憶メディアを託そうとする。

 デジタルデータのような電磁記憶やハードディスクのような記憶媒体は、破損すれば全てが消える。紙の書物も燃えれば灰になる。

 しかし、この世に人間が生き続けている限り、歌が失われることはない。喜びや悲しみという記号化できない人間の感情までも込めることができる音楽。それは、5分後の世界が予測不可能なほどに不安定になった現代に生きる僕たちにとって、素晴らしく希望に満ちた箱舟だ。

 日本屈指の音楽家であり、国民的大ヒットドラマ、『あまちゃん』や『いだてん』の音楽を手掛けた大友良英氏をして「THE BANDの『LAST WALTZ』のような音楽映画の傑作」と言わせしめたこの『盆雨』を、ぜひ、観てください。その際は、DVDやBlue-Rayの発売、ネット配信サービスでの放映を待たずに、劇場に足を運ぶことを強くオススメします。

 とにかく、映画館の大画面と高音質なサウンドシステムで、この映画を、音楽を、体全体で感じてほしいから。とりわけ、ラスト20分間延々と続く、盆唄のグルーブに身を委ねてほしいから。

 

■作品info

『盆唄』

テアトル新宿・フォーラム福島・まちポレいわき他 全国順次公開中!
上映館・スケジュールは映画公式サイトから:http://www.bitters.co.jp/bon-uta/theater.html

監督:中江裕司(『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』)
撮影監督:平林聡一郎
編集:宮島竜治、菊池智美
エグゼクティブプロデューサー:岡部憲治
プロデューサー:堀内史子
アソシエイトプロデューサー:岩根愛
アニメーション:池亜佐美
音楽:田中拓人
音楽プロデューサー:佐々木次彦
製作:テレコムスタッフ
配給:ビターズ・エンド

出演:福島県双葉町の皆さん、マウイ太鼓ほか
声の出演(アニメ―ション):余貴美子、柄本明、村上淳、和田聰宏、桜庭梨那、小柴亮太

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人 日本芸術文化振興会
日本/2018年/134分/ビスタ

URL:www.bitters.co.jp/bon-uta/

文=渡邊浩行(モジラフ)

コメント

1:ドリフ 2019年3月8日 16:35 | 返信

盆回り

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