世界一静かな謎の拷問 「ザ・ハム」― “低周波”超常現象は霊の仕業か、陰謀か?

 読者の皆さんは「ハム音」をご存知だろうか。言葉を知らないとしても、「機械やラジオなどからブーンブーンと聞こえてくる少々不快な低い音」と説明されれば、「ああ、あれのことか」とおわかりいただけるに違いない。

 そのハム音が昼夜問わず延々と鳴り続ける現象が「ザ・ハム」である。Netflixの超常現象などを取りあげるノンフィクション番組「Top 10 Secrets and Mysteries」のシリーズ第6話「Paranormal Activities(超常現象)」では、タイトル通り10の超常現象を紹介しているが、そのトリを務めるのがこの「ザ・ハム」だ。

 コロンビア大学の教授ロビン・ゲルション(Robyn Gershon)氏が同番組で披露した情報によると、この現象は聞いている者の心拍数にも影響を及ぼすといい、最悪の場合心肺停止になる可能性もあるとのことだ。外傷の残らない継続的な精神的ストレス。やはり上記の「静かな拷問」に当てはまっている。

 確認されたザ・ハムの多くは「工場の騒音」や「巨大貨物船のエンジン音」だったなどと科学的に説明がついているのだが、中にはもちろん未解明のケースもある。そのため陰謀論者の間では、それらのケースが実は何者かによって意図的に流されているものだと囁かれている。

 確かにそう考えれば説明はつく。町中などで実験的にザ・ハムを流し、人々の反応を探る。改良を重ねて効力が増したところで、敵軍の基地に向けてザ・ハムを放つ。すると敵兵のほとんどが戦意喪失に集中力低下。もちろん自殺に追い込まれたり心肺停止したり者もいるだろう。ザ・ハムの兵器化が成功すれば、自国の兵を犠牲にすることなく敵軍を弱らせることができるため戦争を有利に進めることができるだろう。人間はやはりクリエイティブで恐ろしい生き物だ。

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