「負傷兵を冷凍保存」「魚のスパイ」クマムシを応用… DARPAの最新研究がますますヤバい! 超潤沢予算でSFが次々現実に!
■魚をスパイに
生物が持つ能力を活そうというアプローチは、別の形でも行われている。今月1日付の英「Independent」によれば、DARPAでは海洋生物が持つ感覚能力を利用し、情報を集める手段とする「持続的水生生物センサー(PALS)プログラム」を進めている。いわば魚のスパイ化である。
とはいえ、スパイといっても海の生物たちを敵陣に潜入させて情報を入手させるようなものではない。彼らの持つ周囲の環境を敏感に感じ取る能力を利用し、近くにいる自動運行船や深海に潜んだ原子力潜水艦などの索敵に応用しようというのである。
プログラムには4500万ドルの予算が付けられており、小型船や潜水艦に反応して音を発する魚や、エビが発する天然のソナーとなりうるノイズ音などが研究されているという。
DARPAでは一見すると空想的で実現の可能性が低そうな、固定観念に囚われない自由な研究が積極的に支援されている。公開されているテーマをみると、うまくいくかどうかはわからないが、実現すればイノベーションを起こすような研究ばかりである。DARPAを見ればわかるように、実現の可能性はともかくとして、ユニークな研究にも潤沢な資金を提供できるのが米国の真の強みなのだろう。
参考:「Newsweek」「Independent」「DARPA」ほか
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