平成のお笑い業界は激変していた!? 霜降り明星のヤバさも…『教養としての平成お笑い史』 ラリー遠田×キックの発売記念対談
ラリー 平成の芸人って初めから「上の世代にはかなわない」みたいな感覚を持っている人が多いと思うんです。ナインティナインの岡村(隆史)さんとかも「上が詰まっていて上がっていけないから、さんまさんには早く引退してほしい」みたいなことをよく言っていたじゃないですか。そういう時代を経て、平成が終わりを迎えるこのタイミングでようやく、新しい感覚を持ったピュアな若手が出てきた、っていう感じがするんですよね。そういう意味では楽しみです。
キック 新しいですよね。本当になんか全く別の流れがここから始まるかもしれないですね。
ラリー あと、今お話を聞いていて思ったのが、又吉直樹さんが芥川賞を獲った『火花』ってあるじゃないですか。あれってどういう話かというと、若手芸人と彼が尊敬する先輩芸人がいて、お笑い論を交わすんですよね。その内容がものすごく熱いんです。又吉さん自身も言っているんですけど、あの小説で書きたかったのは「芸人ってすごくチャラチャラしているみたいに思われがちだけど、実は真剣に笑いに向き合ってがんばっている」ということなんです。芸人がチャラチャラしていると思われがちな時代に、あえて「芸人こそストイックである」みたいな逆のメッセージを打ち出すっていうのが、この時代においては新しかったのかなと。
キック そうでしょうね。今まで隠してきたものがもう裏返ってきてるってことですもんね。
ラリー 少し前までは「一発屋芸人」と呼ばれるような人って、もっとバカにされる感じがありませんでしたか? 久しぶりにテレビに呼ばれて、最高月収を聞かれて、ギャグをやらされて終わり、みたいな。でも、最近は「一発屋芸人も実はがんばっている」みたいな風潮になってきてますよね。そこもちょっと時代が変わってきたのかなっていう感じがします。
こんな具合に、この本を読むと事件をきっかけにしていろいろなことを連想するじゃないですか。だから、いろいろな切り口で語れる本なのかな、と思います。
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2024.10.02 20:00心霊平成のお笑い業界は激変していた!? 霜降り明星のヤバさも…『教養としての平成お笑い史』 ラリー遠田×キックの発売記念対談のページです。対談、キック、ラリー遠田、教養としての平成お笑い史などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで