まじ!? 切らずに手術する「分子レベル手術」が間もなく実用化!メスなし治療で“あなたの望む姿”に変身!
この技術が適用されるのは鼻や耳、関節の軟骨組織になるが、研究チームはさらに適用範囲を拡大し、腱や目の角膜にも使用することを思い描いている。視力回復のためのいわゆるレーシック手術が、レーザーを用いることなく可能になるかもしれないのだ。動物実験ではこの技術を用いた視力回復のための角膜の再形成がすでにある程度の成功を収めているということだ。
“分子レベル手術(molecular surgery)”と名づけられたこの技術は、角膜の各層の構造を乱すことなく、角膜の矯正を可能にするということで、視力回復において実に有望な技術といえるだろう。
■軟骨を軟らかくして望む姿に成形
この“分子レベル手術”はどういうメカニズムで実施可能になっているのか?
そもそも軟骨は、人体の至る所、例えば関節や椎骨、鼻、肋骨の端の部分、耳、そして気管支などに見られる結合組織である。軟骨は硬いコラーゲン繊維で構成されているが、その名の通り骨のように硬いが、一方でゴム状でもある。
この新しい外科的技術のカギとなるのが、軟骨が荷電粒子、すなわち負に荷電したタンパク質および正に荷電したナトリウムイオンを含むことである。荷電粒子の質量によって、軟骨の硬さが決まるのだ。
そして、今回の研究チームのヒル医師と彼の同僚は、電流を流すことによって軟骨を柔らかくして自由に成形できることを発見したのだ。電流は軟骨の負に荷電したタンパク質を相殺し、正に荷電した陽子が作用し、水分を酸素イオンと水素イオンに電気分解し、軟骨を軟化させる。
「いったん組織がダラリとしてくれば、望む姿に成形することができます」(マイケル・ヒル医師)
電流によって軟らかくなった軟骨は再び硬くなるまでの間、可能な範囲で好きな形に変形、形成することができる。
そして研究者らはこれまで、ウサギの耳に対してこの技術の有効性を実証している。ウサギの耳に微細な針を刺し、電流を流して耳の軟骨を軟らかくした後、“折れ耳”にした状態で針を抜いたのである。折れたほうの耳はその後硬くなり、折れたままの姿になった。この“施術”に要した時間はものの数分であるということだ。
もちろんさらなるテストが必要であることは明らかだが、軟骨の再形成または再建が必要な患者にこの新技術を活用できることが期待されている。また美容整形手術において現在必要とされている切開縫合、および術後の回復期をなくすこともおそらく可能であるという。いずれにしても医療技術の目覚ましい進歩を感じさせてくれる話題だろう。
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2024.10.02 20:00心霊まじ!? 切らずに手術する「分子レベル手術」が間もなく実用化!メスなし治療で“あなたの望む姿”に変身!のページです。美容整形、医療、関節、仲田しんじ、軟骨、分子レベル手術、レーシック手術などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで