ほとんど議論されていない「4つの悲しみ」とは? 痛烈な悲しみ以外の重要な悲しみ… 希望を見出すヒントも!

2. “ホーム”を失う悲哀。身体的、感情的、メンタルの満足感の喪失

●身体的、感情的、性的なトラウマを持ち日々の生活に安心感を持てない悲哀。
●立ち退きを迫られたり、住宅の欠陥や脆弱性を知って不安感に苛まれている家族の悲哀。
●親の離婚で安心感を失った子どもの悲哀。
●帰属するコミュニティーの中で暴力に遭遇したメンバーの不安感と悲哀。
●パートナーの不倫疑惑を知らされた時の不安感と悲哀。

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画像は「Wikimedia Commons」より

 我々は誰でも物理的、精神的に安心感を得られる“ホーム”を持っている。しかしこの“ホーム”が失われてしまえば、人はきわめて危うい状態になることは明らかだ。

“ホーム”が失われることで、実際には危険に晒されていない場合でも、過剰な警戒感を抱きやすくなる。そしてこの過剰な警戒感は心身の健康と対人交流にネガティブな影響を及ぼす。特にPTSD(心的外傷後ストレス障害)を患っている人にとっては、感覚の鈍麻と警戒感が断続的に訪れるという。

 根本的な解決方法は新たな安全基地となる“ホーム”を再建するしかないのだろう。

3. 自主自律性の喪失。自分の人生のコントロール感を失う

●変性疾患の症状を持ち身体的、精神的な衰えを実感する悲哀。
●加齢により社会・組織に貢献できなくなってしまった悲哀。
●大金を失い人の助けなしには生活できなくなった悲哀。

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 自主自律性の喪失は、自分の人生に対するコントロール意識を失い、自己イメージの維持が困難になることで悲しみを引き起こす。

 退行性疾患などの場合にも自主自律性とアイデンティティはいくつもの段階を経て失われ、独立性と認知機能の低下が悲しみを招く。

 また深刻な経済的苦境にある人は、失敗感や絶望感と共に、今後の人生における選択肢が少なく感じられて悲しみにつながる。

 解決策としては現在直面している現実から目を逸らさず、人生の再設計に取り組むしかないのだろう。

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