「令和南海トラフ巨大地震」は発生目前、今年後半か!? 過去の日向灘地震を分析して判明、覚悟を決めるべき時が来た!

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エルニーニョの観測された1997年12月の海面温度。 画像は「Wikipedia」より引用

■南海トラフ巨大地震とエルニーニョ・ラニーニャ現象

 では、これまで南海トラフ巨大地震の発生時にはエルニーニョ・ラニーニャ現象が起きていただろうか? 両現象の発生が記録されている16世紀以降に発生した南海トラフ巨大地震は全6件だが、その前後に起きたエルニーニョ・ラニーニャ現象とともに以下に示す。

【エルニーニョ】1604年
翌年:1605年2月3日 慶長地震(M7.9〜8)

【エルニーニョ】1707~1709年
期間中:1707年10月28日 宝永地震(M8.4〜8.6)

【エルニーニョ】1852~1853年
翌年:1854年12月23日 安政東海地震(M8.4)
翌年:1854年12月24日 安政南海地震(M8.4)

【ラニーニャ】1942春~1943秋
翌年:1944年12月7日 昭和東南海地震(M7.9)

【エルニーニョ】1946年春~1947年春
期間中:1946年12月21日 昭和南海地震(M8.0)

 なんと6件の南海トラフ巨大地震のすべてが、エルニーニョかラニーニャ現象の発生中、あるいはその翌年に起きていたことがわかる。これもまた顕著な傾向といえるだろう。

 以上のことから言えるのは、現在のようにエルニーニョ(またはラニーニャ)現象が発生している期間は、日向灘を含む南海トラフ上での大地震に注意が必要だということにほかならない。なぜこのような傾向が現れるのかは不明だが、そもそもエルニーニョやラニーニャの発生は地殻変動に関係しているという海外の学説もある。

■今回の地震を「前震」と考えよ!

 もっとも、名古屋大学教授(地震学・火山学)で日本地震学会会長の山岡耕春(こうしゅん)氏は、今回の地震は規模が小さいため、これが直接に巨大地震につながる可能性は低いとしている。しかし、もう少し規模が大きい地震だと南海トラフ巨大地震を誘発する可能性があるという旨の見解を示した。

 しかし、山岡氏が1900年以降に日向灘で発生したM6.8以上の地震と、九州内陸で発生したM5.0以上の地震について関係を解析したところ、日向灘地震の前後半年間に九州内陸の地震が集中的に増えていることがわかった。筆者が過去に日向灘で発生した地震データを解析した結果もほぼ同様で、もしも今後M7クラスの地震が日向灘で起きた場合には、南海トラフを含めてフィリピン海プレートが沈み込む西日本で巨大地震が続く可能性が高いと考えている。

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南海トラフ巨大地震の想定震源域 「Wikipedia」より引用

 さらに、京都大学防災研究所宮崎観測所の山下裕亮助教は、今回の地震が1996年に起きたM6.9の地震と同じ震源域であるうえ、過去にM7クラスの地震も起きているため、「今回の地震がより大きな揺れの『前震』にあたる可能性もある」(NHK NEWS WEB、2019年5月15日)と警告する。

 これまで数多くの大地震発生を予測し、的中させてきた木村政昭・琉球大学名誉教授は、自身のホームページ上で、日向灘で起きる大地震を「2014±5年、M7.5」、つまり今年中にM7.5の地震が発生すると予測している。やはり今年はM7クラスの大地震、いや南海トラフ巨大地震が続く可能性さえも十分に“ある”ものと警戒するべきだろう。

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