ミツバチの超絶賢い数学的能力が次々判明! 計算、ゼロの概念、シンボル試験も合格… AIの学習能力に応用へ!(最新研究)
シンボルと数量を一致させる訓練では、ミツバチは入口で記号を見てから箱の中に入り、左右に貼られた■が2個または3個書かれたサインを見て、どちらに進むかを決める。例えば入口がNだった場合、ミツバチは2個の■が掲げられた部屋に入れば甘い砂糖液にありつけるが、間違えると苦いキニーネ液を舐めることになる。二つの餌は匂いで嗅ぎ分けることはできず、ミツバチは部屋に入らなければ中にある餌を知ることはできない。入口の記号と■の数を一致させて覚えなければ、おいしい餌にありつけないというわけだ。
数量とシンボルを一致させる訓練では、先ほどとは逆に、入口に2個か3個の■が描かれ、分かれ道にNと逆さのTが示されている。ミツバチが入口の■の数に合った記号の部屋に入れば、そこには甘い砂糖液が待っているのである。
訓練を50回繰り返したところ、いずれの訓練でも、ミツバチは約75%の精度で記号と数量を一致させていたという。さらに文字の色を変えたり、■ではなく●や▲に変えたりしたが、ミツバチはテストをクリアした。
ただ、ミツバチは受けた訓練と逆のことはできなかった。例えば、一つ目のシンボルと数量を一致させる訓練を受けたミツバチは、二つ目の数量とシンボルを一致させる実験はクリアできなかったのだ。研究者によると、これは数字の処理と記号の理解がミツバチの脳のさまざまな領域で行われていることを示唆するという。
チンパンジーやハトのように数字と記号の関係を覚え、複雑なタスクを実行することはできなかったものの、今回示されたミツバチの能力は驚くべきものである。ミツバチの脳の神経細胞は100万個に満たず(人間は860億個以上)、神経細胞の数に比較して極めて高いその能力は、AIの学習能力を高めるヒントにもなりうるとのことだ。
研究者らはミツバチの学習能力の高さに、未来の種を超えたコミュニケーションの可能性を切り拓くと期待を寄せている。論文は6月5日、学術誌「Proceedings of the Royal Society B」に掲載された。
参考:「Proceedings of the Royal Society B」、「Science Alert」、「Phys.org」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊ミツバチの超絶賢い数学的能力が次々判明! 計算、ゼロの概念、シンボル試験も合格… AIの学習能力に応用へ!(最新研究)のページです。数学、人工知能、ミツバチ、シンボル、最新研究、計算、認知能力などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで