シュレーディンガーの猫を救う方法が発見される!! 「量子跳躍」で“事象を反転”させて… 定説完全に覆る!

 世界的に有名な思考実験「シュレーディンガーの猫」を助ける方法が見つかったかもしれない。米イェール大学の研究者らが学術誌「Nature」(今月3日付)に発表した論文が話題となっている。研究者らは量子跳躍という現象をリアルタイムで観測することで、その兆候をとらえ、反転させることもできると主張している。

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画像は「Phys.org」より引用

■シュレーディンガーの猫を救え!

 量子力学において、粒子は様々に異なる状態が重なり合って存在するが、観測によっていずれかの状態に収束すると考えられている。『シュレーディンガーの猫』はその異常さを説明する思考実験として提出されたものだ。

 この思考実験では、ラジウムとガイガーカウンター、青酸ガスの発生装置が内部に取り付けられた箱と生きた猫を用いる。ラジウムがアルファ線を発したらガイガーカウンターが反応し、青酸ガスのスイッチを入れる仕組みとなっている。ある時間内にラジウムがアルファ線を発する可能性は50%。つまり、この箱の中に猫を閉じ込めて一定時間後、中の猫が生きている確率は50%、死んでいる可能性も50%となる。そして、量子力学においては、外から蓋を開けて猫の生死を確認するまで、箱の中の猫は生きている状態と死んでいる状態が重なり合っているとみなせる。

 提唱者の理論物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは、この思考実験を量子力学における矛盾、そして量子力学のミクロの世界における挙動をマクロな現象に結びつけた時の奇妙さを指摘するために提案したとされる。本人の意図はどうあれ、シュレーディンガーの猫は量子力学における重ね合わせと予測不可能性を説明するために頻繁に使用される。

 今回、米イェール大学の物理学者ズラトコ・ミネフ(Zlatko Minev)氏らは、量子跳躍という現象を調べ、その挙動が実は予測されていたほどはランダムでないという、定説を覆す驚くべき発見をした。量子跳躍とは粒子のエネルギー状態が急激に遷移することで、ランダムに発生するため、従来は予測することはできないと考えられていた。

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