寝そべる胎児、埋まる頭蓋骨…「身体、ジェンダー、時間」をテーマに忘却されたDNAを表現した小宮麻吏奈個展[ -ATCG ] がアツい！

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　現代アートというものは、ちょっと分かりにくいと言われることが多い。でも、これらの作品を紐解く鍵は用意されていた。彼女は、アーティストステイトメントで、「今回は、活動の地図の一つとして、ATCGという遺伝子の連鎖の中に残らなかった者たちを『失われた信仰』という形で掘り起こそうという試みです。簡単に『信仰』と言ってしまって良いのかは難しいところですが、『クィア考古学』というような形で思考することができないかと考えています」と記している。

「クィア考古学」というのは、“ジェンダーに関する考古学”と考えればいい。そこにあるのは、『遺伝子というミクロレベルからの視座』と『過去～現在～未来』という時間軸だ。それを前提にして作品を見ると、小宮さんが思い描く世界に入っていくことができる。小宮さんは、鑑賞者が歩くことになる緑色の渡り廊下のようなものや映像作品に出てくる緑の線は、家系図であり、地図を表していると話す。弱冠26歳（当時）の女性が見せる天才的な視座には、驚かされるばかりだった。

小宮麻吏奈 個展[ -ATCG ]

会場 : TAV GALLERY (東京都杉並区阿佐谷北1-31-2)

http://tavgallery.com/minusatcg/

文・写真＝酒井透

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