「今週、11%の確率で巨大地震が発生する」米で地震学者が警鐘! 深海魚も打ち上がって本気でヤバい兆候!
■データ抽出の方法に問題はなかったか?
筆者は長年、地震前兆研究家として活動してきたが、中でも動物が地震の前に示す異常行動の例を多く収集し分析してきた。その立場から東海大などの研究を見ると、疑問に思う部分がある。
特に、データ抽出の際の条件設定に問題がなかったのか、ということだ。
まず、東海大などの研究は地震の規模を「M6.0以上」に限っているが、筆者がこれまで前兆の可能性があると判断した事例の多くは、必ずしも「大地震」とは限らず、M4程度の場合もあるのだ。
次に、深海魚の発見から地震発生までの期間を「30日以内」としているが、これにも疑問が残る。というのも、一般に宏観異常現象(大きな地震の前触れとして発生ないし知覚されうると言われている、生物的、地質的、物理的異常現象)のうち、動物の異常行動は、大規模な地震(M7.0超など)の場合、数カ月前から前兆現象として現れることも少なくないからだ。
また、「半径100km以内が震源となった」という条件設定も疑問だ。筆者のこれまでの研究から、実際はM7.5~8超のような巨大地震の場合は、数百キロの距離でも前兆現象が発現する可能性があるかもしれないと考えている。
筆者のこれまでの研究で分かってきたのは、日本海における深海魚の出没、それが特に冬季の場合には、地震との関連が“ない”ことが圧倒的に多い。おそらく海水温の低下や海流の変化による現象だと考えられる。昨秋から今春にかけて、兵庫県や富山県の日本海でリュウグウノツカイが頻繁に出現した際にも、必ずしも地震に結びつかないだろうと考えていたが、実際に該当するような地震は発生しなかった。
もし、東海大らがこのような傾向に気づかず、闇雲に大量に収集したデータを「統計的」と称して調査していたとすれば、深海魚の生態などをよく知らず真実を見誤っているのではないかと疑ってしまう。
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