本物のエリート医師が開業した「合法的な闇病院」を亜留間次郎が解説! 裏に”反社が潜む”病院の見分け方とリスク!
■親切な悪魔に魂売ってみた
全てを失い、借金漬けになった彼に残されたものは医師免許だけでした。
そんな彼に仕事を世話してくれた親切な的屋がいました。
病院がつぶれた翌年、彼は借金のカタに名義貸しをして都内のビルの狭い一室に、名義上の診療所を開設していました。的屋は合法的に薬を仕入れるために病院の名義が欲しかったので、借金で困っている医師を利用したのです。
的屋は自分の病院も全財産も失った彼に、その診療所で医師を続けることを薦めました。診療所として最低限の設備すら置けないような狭い貸しビルの一室でしたが、的屋は「薬を欲しがる患者に合法的に病院で処方できる薬を自由診療で相場よりも高い値段で売れば儲かる」と入れ知恵したのです。
そして、悪魔に魂を売り渡し医師としての誇りも倫理観も捨て、薬売りに専念すると、あっという間に年商1億6千万円を稼ぐ診療所になりました。
それから10年、彼の診療所は「患者の言う通りにすぐに欲しい薬を売ってくれるクリニック」として今も繁盛し続けています。まさに、「当たれば儲かる的矢」が的屋の語源とは良く言ったものです。
つまり、彼は受験勉強では勝ち上がったけど、医師として無能すぎて闇医者としても使い物にならないので、的屋に合法薬物の売人をさせられているのです。稼ぎの大半は「カイジ」に出てくる帝愛並みの借金の返済に消え続けているのでしょう。
転落しすぎて名門大学の仲間や他の医師からは相手にされなくなってしまい、的屋の売り子になってしまった彼ですが、今でも高校の同級生や先輩後輩相手には「俺は名門大学医学部卒の開業医」だと自慢しているのか、同窓会の事務局長を引き受けています。
彼の自尊心を満足させてくれる場所は、もうそこしか残っていないのでしょう。
このお話は実話を元にしたフィクションです。ですが世の中には実際に、妙に貧相なクリニックの割に、医師の経歴がやたらエリート過ぎる謎の診療所があります。それは決して経歴詐称しているわけではなくて、その裏にはいろいろと事情があるのです。
薬局では買えない薬が欲しいだけならそうしたクリニックを利用するのも悪くはありませんが、患者の健康の事など考えてくれません。一昔前に高利貸しのテレビCMでやっていたように、「ご利用は計画的に」全ては自己責任になります。
借金は自己破産できても、不健康は清算できません。
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2024.10.02 20:00心霊本物のエリート医師が開業した「合法的な闇病院」を亜留間次郎が解説! 裏に”反社が潜む”病院の見分け方とリスク!のページです。ヤクザ、医者、転落、エリート、裏社会、診療所などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで