参議院選挙と「大麻」を日本で唯一、真面目に語ってみた! 大麻の自由化を考えることは、日本人の選択の自由を問うこと(高樹沙耶×石丸元章)
●れいわはポピュリズムなのか?
石丸 れいわやN国をポピュリズムと批判する向きもあります。リアル社会のネット社会化現象は日本だけでなく世界中で起きていて、たとえばトランプ大統領やイギリスのボリス・ジョンソン首相も、大衆に迎合して支持を受けているポピュリズムだとも言われます。
ポピュリズムの定義はいろいろありますが、自分は――大雑把に北海道大学の遠藤乾さんが言っている定義がわかりやすいと思う。曰くーー「ポピュリズムでは、社会の人々を『民衆/エリート』に二分して区別して、エリートを悪い存在=いらない存在と定義している」と。立花さんで言うなら、NHK=エリート=悪=必要ない。れいわでいうなら、安倍晋三と仲間達=ズルいお友達連中=自民党=悪という図式ですよね。
確かにわかりやすい図式ではある。政治をわかりやすく! という狙いもわかる。でもそもそも、社会ってそんなに単純じゃなくて、だから政治は難しいし大切なんだと思うのだけれど……。
高樹 実は今起きている問題の根源は人口増加なのだと思う。こんなに地球を破壊する人間という生き物が増えすぎた。今はエリート層も民衆もサバイバルを迫られ、互いの生き残りを賭けて自分たちの保身に走りだしたという事でではないかと思っています。
だから、小さなところで誰かを責めても、私たちがやってきた様々な行為の結末をみんなが見せられる時代に突入した仏教でいうなら末法の時代を生きているという事。
どれほどの人間が悟れるか、それが未来を決めるのだと思う。
石丸 山本太郎さんは、これも立花孝志さんにも言えることだけど、天才的な戦術家だと思いますね。今回、れいわは舩後靖彦さん、木村英子さんという重度障害者二人を当選させたけれど、惜しくも本人は落ちた。でも逆に知事選へ出られる。あるいは、次の衆院選に山本さんが出たら絶対に通る。3人確保ですよ。
高樹 ポピュリズムについて、あまり考えたことはないんですが、烏合の衆が考えなく動いてしまう怖さがあることはわかります。ただ、ネガティブな面ばかりではないと思うんです。大衆というものを愚民、奴隷、として捉えるか、財産としてとらえるか……。後者として捉えているリーダーにこそ政治を動かしてほしい。山本太郎さんはそういうリーダーだと思うんですよ。
石丸 政治は、一つのサイコロが転がすゲームではない。同時にたくさんの人がサイコロを転がす複雑系のゲームです。山本太郎さん、立花孝志さん……二つの奇妙な新しい形をしたサイコロが加わったことで、より多くの局面が予想外に動く可能性が出てきて、これは意味がある。上杉隆さんがN国幹事長就任とか、唖然! ですよ。でも何かが起きるかもしれない。ネットポピュリズムとはなんなのか――ネットポッピュリズム今後どうなるかなんて、人類が今初めて経験しているわけで、誰にも分らない。
高樹 実は私も311以降本当に生きることに希望を見つけられないでいた、そして逮捕や長い拘留・裁判の影響で、あの事件の後、環境適応障害を経験した。あの経験の中で私は本当に日本を運営しているリーダーたちに失望を覚えた。でも今回の出来事は私には一条の光だった。
石丸 実感としておそろしいのは――自分は、夜中の無思考状態で、何本何本もN国の同じような動画を続けて見ている生活をしていた時期があるんだけど、すると立花孝志さんの言うことが、なんかなんでもすべて正論に思えてくるんですよ。しかも、立花さんって、ああ見えてゆるキャラで可愛い。粘着なのにカワイイという、YouTuberとしての売れる要素をキッチリ持っている。天才YouTuberなんですよ、彼は。もっとそれを恐れた方がいい。
高樹 そうですね(笑)。
石丸 「NHKをぶっこわあ~す!」みたいにサウンドづくりもうまい。
高樹 子供たちで真似をするのが流行っているそうですね。
石丸 一見ゆるキャラで中毒性があるんですよ。蓮舫さんとか辻元清美さんなんかは、古いタイプの政治表現で、主張がヒステリックで動画で見てると疲れちゃう。長く見てられない
高樹 自民党の三原じゅん子さんに関してはさすが元女優としか言いようがない。時代劇だな! いやいや鞭も似合いそう! 御免なさい三原さん!
石丸 そーそーそー! 言ってる内容=主張じゃないんです。ネット政治では大切なのは、政治的家そのもののキャラ。そのキャラに浸食されてしまう。
高樹 いま、アンシャンレジーム、アメリカに押しつけられてきた旧い制度を一度、ぶち壊したほうがいいという気分がみんなのなかにあると思うんです。それで、N国の主張にも耳を傾けてみようという気持ちになっているという。
石丸 なるほどね~。
高樹 山本太郎さんは「空気を読まないで、志ひとつで突っ込みます」と言っていましたが、そういうスタンスはN国にも共通するかもしれません。
石丸 そこが、はたから見てると不思議なくらいスカッと気持ちいいんですよ、ううう。なんだろうこの気持ち。好きになっちゃいけないと思うのに、気づくと立花孝志のことを考えている……うう。
というわけで、改めて先の参議院選挙と大麻を考えてみる――。大麻の自由化を考えることは、政治的な右/左かを問う選択ではなく、これから先、人々は私たちの社会の中で、どういう自由を選択していけばいいのかを探る、自分たち自身へ問いかけなのだ。後編へ続く!
◎高樹沙耶(たかぎ・さや)
1963年8月21日、静岡県生まれ。元女優、元作詞家、石垣島のキャンピングロッジ「虹の豆」オーナー。1983年に主演映画『沙耶のいる透視図』で女優デビュー、映画&ドラマシリーズ『相棒』ほか、数多くの作品に出演、人気を呼ぶ。著書に『贅沢な暮らし—衣食住が育む「心のラグジュアリー」』(エクスナレッジ)、『ホーリープラント聖なる暮らし』(明窓出版)ほか
Twitter: @ikuemiroku
★イベント情報★「トカナ」presents 連載対談生トークスペシャル 決定!
出演/ 高樹沙耶、石丸元章(ゴンゾ作家) ゲスト/ 高野政所(DJ) 日時: 9月7日土曜日 15時〜18時。 場所: 両国RRR (JR両国駅から10分) 入場料: 1500円+D
・詳細はコチラ→http://rrr666.net/schedule
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2024.10.02 20:00心霊参議院選挙と「大麻」を日本で唯一、真面目に語ってみた! 大麻の自由化を考えることは、日本人の選択の自由を問うこと(高樹沙耶×石丸元章)のページです。高樹沙耶、山本太郎、大麻、石丸元章、立花孝志、NHKから国民を守る党、大麻を巡る対話、2019年参議院選、れいわ新選組などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで