ハーバード・ロースクールが“動物弁護士”を養成へ! 気候変動、動物実験、虐待などから動物の権利をガチ保護!

■気候変動の最大の被害者は野生動物

 アニマルライツで昨今話題に上っているのは、気候変動が野生動物に及ぼす脅威である。

 講師のジョナサン・ラボーン氏は現在世界で最も脆弱なグループは野生動物であり、特に発展途上国の産業によって自然破壊が加速している地域の動物であるとしている。

「これらの国々での野生動物の搾取と殺戮に関して、私たちが特に気候変動の観点から注視しているのは、それらが人々、コミュニティ、文化の搾取と殺戮と深く関わっている点です。野生生物に関する法的問題を研究することにより、私たち自身の社会的および法的問題について多くを学ぶことができるのです」(ジョナサン・ラボーン氏)

 ラボーン氏は、過去にも野生動物法に関する講義を受け持っていた。彼は弁護士たちに動物法を世界全体の前向きな変化に影響を与えるための出発点となるように促したいと考えている。

「野生生物法や気候変動のようなほかの集団的問題の鍵となるのは、どこで変化を起こすことができるかを見つけ出し、それらをより効果的にするためにどのように制度を変えるかについて話すことです」(ジョナサン・ラボーン氏)

 また、アメリカのハンバーガーチェーン「バーガーキング」は今年から一部の店舗で植物を原料とした“人工肉ハンバーガー”を提供していて話題だが、これはアニマルライツと動物保護の意識の高まりを示す現象であるということだ。

ハーバード・ロースクールが動物弁護士を養成へ! 気候変動、動物実験、虐待などから動物の権利をガチ保護!の画像3
「KJCT8」の記事より

 こうした動きは毛皮製品の製造販売の禁止を含め、より動物にやさしい環境づくりが一般化するように推し進め、動物実験と残虐行為を禁止しようとする動物福祉法のムーブメントに乗ったものであるという。このような動きが合体しはじめると、このハーバードの動物法と動物政策に関する一連の講座が変化への動きの最前線になるということだ。

 変化する社会の中で、動物の権利を深く考えて保護することが、ひいては人間社会の“生きやすさ”にもつながるのだとすれば決して“他人事”ではない。そして目下の気候変動が人類のせいだとすれば、野生動物からすれば我々は重大な加害者ということになってしまうのだろう。


参考:「Big Think」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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