身長2m以上の白いドレスの巨大女が佇む、本当にあった怖い話 ー 『でる家』川奈まり子の実話怪談!
来る前に状況を説明した際、その友人は、聡さんの期待通り、大いに羨ましがってくれた。「いいなぁ! チクショウ!」と言って。
けれども、玄関に足を踏み入れた瞬間から、奇妙にモヤついた顔をして、挙動不審になった。
聡さんは得意になって、まずは家中くまなく案内したのだが、その間、やけにビクビクして、突然後ろを振り向いたり、天井を見あげたりしていたのだ。
「どうしたの? さっきから、おまえ変だよ?」
ついにたまりかねて聡さんは親友を問い詰めた。
すると申し訳なさそうに、「ここちょっといるかもね」と答えるではないか。
「いるって、何が?」と聡さんは訊ねた。
友はそれにはすぐに答えず、「この家って誰が住んでたの?」と質問をした。
「言わなかったっけ? 祖母が住んでたんだよ。その前は祖父やうちの父や叔父さんたちも……。もっと前はどこかの外交官の家族が暮らしてたんだってさ」
「その中に、3、4歳くらいで死んだ人は?」
「知らないよ! いないと思うよ。なんで?」
友人は困り切った顔をした。「言えよ!」と聡さんは迫った。
そうしたところ、ややあって、ようやく友は重い口を開いたのだった。そして言うことには――。
「階段のいちばん上の段に、3つか4つの小さな裸の男の子が座っていて、僕たちをじっと見ていたんだ。……実は僕、霊感があるんだよね。あの子は悪気がなさそうだから無視していいよ」
こう聞かされて聡さんは「ええっ! 霊感あるの?」と、ひどく吃驚してしまったが、同時に、祖母の死の前後に現れた男の子かと理解した。
友人はさらに続けて「他にもいる」と話しはじめた。
「50代か60代のおじさんと女の人もいるよ。おじさんは2階にいて、女の人は1階の和室にいる」
1階の和室といえば仏間しかない。
「1階にいるのは、たぶんおばあちゃんだな」
聡さんは怖がりつつも、幾分ホッとして、こう述べたのだが。
「それはどうだろうな……?」と、友人は曖昧に首を傾げたのだった。
親友は帰り際、彼に、幽霊たちに花や水などはあげずに、いつも通りの生活をしろとアドバイスした。
そこで、聡さんはなんとなく不気味に思いながらも、なるべく気にしないことにしようと決意した。
なんと言っても、彼には霊の姿が見えないのだ。気にかけても仕方がないではないか。
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2024.10.02 20:00心霊身長2m以上の白いドレスの巨大女が佇む、本当にあった怖い話 ー 『でる家』川奈まり子の実話怪談!のページです。霊能力、怪奇現象、家、川奈まり子、情ノ奇譚などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで