科学者が「ワームホールの作り方」を遂に論文で発表! ブラックホールを”宇宙ひも”で固定…実現可能!
そのため、実用化するためには、2つの荷電ブラックホールが遠く離れた場所に置かれ、ワームホールが機能し続けることを保障しなければならない。それを可能にするのが、“宇宙ひも”だという。
宇宙ひもは、氷のヒビのようなものであり、ビッグバンの極初期に形成された宇宙の欠陥だ。幅は陽子ほどだが、極めて大きな質量を持ち、1インチの宇宙ひもはエベレスト山よりも重い。これだけの大質量のため、宇宙ひもにはかなりの力を与えても微動だにしない“押され強さ”があるという。
そこで研究者らは、2つの荷電ブラックホールが形成したワームホールにこの宇宙ひもを通せば、ブラックホール同士が引かれ合うのを止めることができるのではないかと考えた。ブラックホールを一定の位置で固定することができれば、ワームホールはとりあえず守られる。
これで1つの問題は解決した。しかし、ワームホールの不安定性は依然残る。だが、これも宇宙ひもで解決できるとのことだ。
代表的な宇宙ひもには、1次元の細長いひも状のものと、ひもが輪っか状に閉じたものがある。ブラックホールの位置固定には前者が使われたが、今度は後者の宇宙ひもを使うという。ループ状の宇宙ひもを2つの荷電ブラックホールの間に置くことで、負の質量のように振舞う負のエネルギーが生成され、ワームホールの安定性が増すそうだ。
こうして種類の違う宇宙ひものコンビネーションで、安定したワームホールは作られる。もうここまで来ると想像力の限界を超えてしまうが、SFのアイデアとしても使えそうな夢のある話である。それに、まだまだ宇宙ひもが発見される可能性は十分にあるのだ。今後の研究にますます期待したい。
参考:「Live Science」、ほか
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