培養された「ミニ脳」から脳波検出!自発的に活動…人工的に意識を作ることが可能に!?
実験室で培養された脳細胞から初めて脳波が検出された。将来、人間の手で意識を持つ脳を作ることができるのか――。
■研究室で培養した脳から脳波を検出
脳波でドローンを操作したり、あるいは脳波で言葉を介さないコミュニケーションを図ったりと近年、脳波を用いる技術の可能性が大きく拓けている。fMRI(磁気共鳴機能画像法)やEEGなどの脳活動を測定する技術も広く普及しており、脳についての研究が以前に比べてきわめて行いやすくなっているのだ。
脳の研究に注目が集まる中、予想もしていなかった方向から興味深い研究が報告されている。実験室で培養していた脳細胞から脳波が検出されたのである。
米・カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが2019年8月に「Cell Stem Cell」で発表した研究では、実験室で培養された小さな脳のオルガノイド(organoid)から、脳波と思われる自発的な電気的活動が検出されたことを報告している。
オルガノイドとは実験室で培養した各種の“ミニチュア版”の臓器で、薬物反応のテストやさまざまな研究目的で培養されている。この研究室では数年前から脳オルガノイドを培養しているが、人間の脳活動に似た脳波を検知したのはこれが初めてである。
研究チームはヒトのどのような細胞にもなり得るヒト多能性幹細胞(human pluripotent stem cells)あるいは幹細胞からこの脳オルガノイドを成長させた。具体的には記憶、知覚、認知、思考、感覚処理などに関与する領域である大脳皮質を構成する細胞へと発達させたのだ。
数百にも及ぶこれらの小さな脳オルガノイドは、脳の発達に適切な遺伝子が発現されていることを確認するためのテストで、10カ月の期間にわたって培養された。加えて脳波検査装置(EEG)で脳オルガノイドを継続的にモニターした。すると6カ月が経つ前に、この脳オルガノイドが以前には記録されたことがないエネルギッシュな活動を見せたのである。
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2024.10.02 20:00心霊培養された「ミニ脳」から脳波検出!自発的に活動…人工的に意識を作ることが可能に!?のページです。脳波、脳、仲田しんじ、意識、培養、EEG、オルガノイド、大脳皮質などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで