培養された「ミニ脳」から脳波検出!自発的に活動…人工的に意識を作ることが可能に!?
■培養した脳が“意識”を持つ日が来るのか
脳オルガノイドの脳活動を分析したところ、この脳波は成人の一貫性のある予測可能な脳活動とはあまり似ているものではなかった。しかし、早産児に見られる雑然とした脳活動と共通するパターンがあったのである。
それでも早産児の脳活動とまったく同じものというわけではなかったのだが、EEGでのモニター情報でトレーニングされた機械学習モデルでは、脳オルガノイドと早産児の脳に共通する多くパターンを識別することができた。そして28週間において、脳オルガノイドは同年齢の早産児と同様の発達を再現していることが観測されたのだ。
もちろんこの脳オルガノイドは、実際の人間の脳とはまったく異なる。“ミニチュア”化され単純化されているだけでなく、相互交流する他の脳領域もない。また、ニューロンの正常な機能に不可欠なタンパク質も不足している。
脳オルガノイドと早産児の脳活動との完全な一致は主張できないものの、今回の研究は人間の複雑な脳活動を実験室で培養された脳から解明するための糸口になったということだ。
研究チームは、脳オルガノイドが28週以降も発達し続けるかどうかを確認するために、今後もさらに脳オルガノイドをより入念に培養していくつもりであるという。

しかしながら“外野”からは警戒する声も少なくないようだ。研究室の中の脳の培養で“意識”を発達させることの危険性を懸念しているのだ。これまでのところ、どの脳オルガノイドも“意識”持っている兆候を示していないが、今後より培養方法が進歩することで“意識”が発生する可能性がないとも限らないというのだ。
研究チームは今の段階で“意識”の誕生を心配をすることはないとしているが、もしもこの脳オルガノイドに“意識”の兆候が見られるようになった場合は、プロジェクトの中止を検討するということである。
“意識”を持った脳が人の手で作られてしまうとすれば、確かに倫理的に問題にはなるだろう。しかしどこまで実験室で脳を発達させられるのかというサイエンス的な興味は禁じ得ないのかもしれない。
参考:「Science Alert」、「Science Direct」ほか
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