中国の世界初「遺伝子編集ベビー」は失敗か!? 予期せぬヤバい変異が… 政府は赤ん坊の身柄確保、極秘論文流出で波紋!
また、倫理面での問題点も指摘された。論文の共著者には妊娠・出産に関わった医師の名がない。これまでの報道によれば、検査では偽の血液などが渡されていたという話もあり、研究に関わった人々の多くはその真の目的を知らされていなかった可能性が高いという。
また、生まれた双子の両親もその目的を理解していなかったかもしれない。双子の父親はHIV陽性で、子どもには感染させたくないことを理由に研究に参加したことになっている。現在では精液からHIVを除去し、体外受精で安全に子どもをつくることが可能なのだが、中国ではそのようなカップルが不妊治療を受けることは難しいという。そのため両親は、ただ子どもが欲しい一心で、その内容を正確に説明されることもなく研究に参加した可能性があるのだ。
12月4日、日本でも厚生労働省が人間へのゲノム編集技術の応用を禁止する規制案が検討しているとの報道があった(朝日新聞)。賀氏の一件によってわかったのは、ゲノム編集技術の人間への応用は時期尚早であり、その効果のほども不明な点が多すぎるということだ。各国で規制が進むのも当然の動きといえよう。
なお、賀氏本人の身柄も含め、中国当局は研究データと赤ちゃんたちを確保しているといわれている。昨年の賀氏の発言によれば、今年の夏には3人目のゲノム編集ベビーが生まれているはずであるが、この件についてはほぼ情報がない。彼女らが今どのような状況に置かれているのかはわからないが、せめて健やかに成長することを祈るのみである。
参考:「MIT Technology Review」、「Science Alert」、「The Guardian」、ほか
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