セックスをすると全く別の種を生み出すハイブリッド製造魚が発見される! 水面下の乱交、その実態!
新種の“ハイブリット魚”が続々と生まれている湖があるという。なぜなのか? それはメスが交尾する相手を間違えるという“一夜の過ち”の多発が原因であるという。
■新種の“ハイブリッド魚”が次々誕生している湖
先月、マレーシアの野生のスマトラサイの最後の1頭が死んでしまい、マレーシア国内のスマトラサイは公式に絶滅し、残るはインドネシアの数十頭だけであることが報じられ注目を集めた。スマトラサイのケースは実はほんの一例で、今年7月にIUCN(国際自然保護連合)が公開した絶滅の危機にある世界の野生生物の「レッドリスト」に指定された種の数は2万8338種にも上っている。
地球上から現在進行形で生物多様性が失われつつある中、一方で新たな魚種が続々と誕生している湖がある。そこでは、魚のメスが交尾する相手を間違えまくっているというのだ。
アフリカ・コンゴのムウェル湖(Lake Mweru)では、世の流れに反して生物多様性が向上しているという。この湖に生息するシクリッド(cichlid)と総称される魚の間で、新種の“ハイブリッド魚”が次々誕生していることが最新の研究で報告されている。
スイス・ベルン大学、英・ケンブリッジ大学などをはじめとする国際的な合同研究チームが2019年12月に「Nature Communications」で発表した研究では、偶然の異種交配によってムウェル湖のシクリッドが急速に適応放散(adaptive radiation)を成し遂げていることを解説している。
なぜそのような“異常事態”が起きているのか? それはメスのシクリッドが交尾する相手を間違えまくっているからであるという。この湖のメスの魚は“一夜の過ち”を犯す確率が高いのだ。
交尾においてシクリッドはメスが主導権を握ってオスを選んでいるのだが、水が濁っていると相手を見誤り、異種交配に及びやすくなってしまうのである。そしてこれは、この湖が誕生した当初からの傾向であるという。
相手を間違えるとどんな子どもが生まれるのか。そこには両親のどちらの遺伝特性を引き継ぎながらも、両親のどちらにも似ていないというハイブリッドな新種が生まれてくる可能性が高まるのである。こうしてムウェル湖では生物多様性が急速に育まれることになったのだ。
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