「これはとても良い廃墟。50年前とは思えない…」ルポライター村田らむが激推し
「これはとても良い廃墟。50年前とは思えない…」ルポライター村田らむが激推しする“奥多摩湖ロープウェイ”
――B級スポット、樹海や禁断の土地、ホームレス取材を得意とするルポライター村田らむが寄稿!
以前、とある雑誌社から電話があり、簡単に行けて見栄えの良い廃墟的な場所はありませんか? と聞かれた。
いろいろ考えて『奥多摩湖ロープウェイ』を紹介することにした。
奥多摩湖のあたりは、廃墟が多い。ドライブイン、ラブホテル、旅館、ガソリンスタンドなどの廃墟が点々とある。奥多摩湖を観光地として見込んでいた時代に建てられたのだろうが、現実は厳しい。
『奥多摩湖ロープウェイ』は竣工したのが昭和36年だ。東京オリンピックの開催が昭和39年だから、日本の景気もガンガン上り調子の時期である。
「奥多摩湖にもオリンピックフィーバーの影響で、人がたくさん集まるに違いない!!」
と思ったのだろう。実際、オープン当初はまずまず集客したそうだ。だがすぐに客は減っていった。
奥多摩も東京ではあるのだが最西端である。新宿から奥多摩駅は2時間もかかる。なかなか2時間かけて奥多摩湖へ遊びに行こうとは思わない。
そしてオープンから3年の昭和40年には閉鎖してしまった。たった3年しかやっていなかったので、ロープウェイが動いていた当時の写真はあまり残っていない。むしろ廃墟&心霊スポットになった今のほうがずっとたくさんの写真が残っている。
そうして閉鎖したロープウェイ乗り場は、半世紀に渡り放置されてきた。
ロープウェイの支柱が建つ場所は駐車場になっている。支柱も何も知らない人が見たら、
「古びた送電線だな〜」
と思って通り過ぎるに違いない。サビで茶色くなっているものの鉄塔は全く揺るがず建っていて、ロープもピンと張っている。定期的に保全しているかどうかは知らないが、大したものである。
その駐車場には、トイレが併設されているのだが、おそらくロープウェイと同時に建てられたのであろう、かなり老朽化していた。コンクリートはボロボロ、タイルは割れ、鏡は半分以上が映らなくなっていた。
現役のトイレがこれだけボロボロなのだから、ロープウェイの方もかなり期待ができる。
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2024.10.02 20:00心霊「これはとても良い廃墟。50年前とは思えない…」ルポライター村田らむが激推しする“奥多摩湖ロープウェイ”のページです。東京、廃墟、村田らむ、奥多摩湖ロープウェイ、奥多摩などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで