イースター島のモアイ像が作られた“真の目的”ついに判明! 定説覆る「単なる岩石ではない…」成分分析で衝撃の報告!
謎が多いイースター島のモアイについて興味深い新説が登場している。モアイはなんと、島の農作物のための“栄養剤”であったというのだ。
■モアイ像が農作物生産のための“栄養剤”だった!?
絶海の孤島・イースター島に建ち並ぶ巨大な人面石造彫刻のモアイだが、いったい何の目的で造られたのか。
宗教的な祭祀目的で建てられたのではないかという見解がおおむね主流であるものの、詳しくはまだよくわかっていない。
しかし、そこへ新たな視点がもたらされた。国際的な研究チームが2019年9月に「Journal of Archaeological Science」で発表した研究では、モアイが造られ、島の各地に設置された理由は島の土壌を豊かにして農作物の生産性を高めるためのものであった可能性が示唆されている。
研究チームが着目したのは、モアイ像に使われている岩石の90パーセント以上が、ラノ・ララクと呼ばれる直径約550メートルの噴火口跡で切り出されたものである事実だ。採石場となったこのラノ・ララクは、島全体の面積の1パーセント未満を占めるに過ぎないのだが、この場所でそのまま集中的にモアイ像が生産されていたのである。
研究チームは、この地域で採取された土壌サンプルの分析に基づいて、ラノ・ララクには単なる岩石以上のものが含まれていることを指摘している。
「化学分析の結果が得られたとき、私は思わず“二度見”しました」と米テネシー州スワニーにあるサウス大学の地質学者サラ・シャーウッド氏は説明している。
「カルシウムやリンなど、思いもよらないような高レベルのものがありました。土壌の化学的性質は、植物の成長の鍵であり、高い収穫量に不可欠な高レベルの元素を含んでいました」(サラ・シャーウッド氏)
研究チームによれば、イースター島の大部分の土地はどこもすぐに痩せてしまい、そのままでは農作物の生産に適していないという。
しかしながら、カルシウムやリンなどの栄養素が多く含まれたこのラノ・ララクの岩石で造られたモアイ像が設置された場所は、まさに鉢植えのアンプル剤のような働きをしてその土地の土壌を肥沃にするというのである。モアイ像が農作物生産のために造られ、島の至る所に設置されていたのだとすれば興味深い。
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