超ハイスペック「中華バイク」登場で日本製品が駆逐される…中国はもはや粗悪品大国ではない!

■レースが中国バイクを変えた

「10年ほど前までは中国のバイクといえば、すぐ壊れる粗悪品で知られていましたが、ここ5、6年で事情が変わってきました。5年ほど前に輸入したバイクが、すごくよかったんです。このころから中国で何かが変わったと思いました」

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5年前に輸入した中国製バイク。日本製とそん色ない性能だった。

「変わったのは中国国内でモトクロスのレースが盛んに行われるようになったことです。おそらく向こうのメーカーもレースで勝てるバイクを作り始めた」

 なるほど、レースがバイクの性能を高くするという歴史は日本にもあった。1970年代、日本製のバイクは世界中に輸出されたが、その品質を支えたのは当時大流行していたモータースポーツだったのだ。

「いま中国ではオフロードレースが盛んです。モトクロスだけでなくエンデューロもやっています」

 エンデューロは日本国内でも盛んに行われている、山の中で人工的に作った障害物を乗り越える競技だ。当然、オフロードバイクにも高性能が求められる。

 中国のエンデューロレース。かなり本格的なコースになっている。走っているのは中国製のほかヨーロッパ製のバイクも見える。

 ところで、中国製バイクの性能が上がってきたのは、メーカーの体制もあるのだという。

「日本のバイクメーカーは、エンジンからフレームまで一貫して社内で設計、生産します。一方、中国では分業体制が広く進んでいて、エンジンだけを作るメーカー、フレームなどを設計するメーカー、パーツを作るメーカーなどが分かれているんです」

 こうした分業体制はヨーロッパのバイクメーカーに似ているという。

「イタリアやスペインではエンジンやパーツを買ってきて、自分のところはフレームだけ作って組み立てるというバイクメーカーが多いんです。中国にはバイクメーカーだけで数十社あります。小さなメーカーを含めれば100社を超すでしょう」

 分業で開発しているので、ある会社が優れた部品を作るとバイク業界全体で性能が上がるという仕組みだ。また、ヨーロッパ、アメリカのバイクメーカーは生産を中国に委託することが多くなったという。

「ポルトガルのAJP、アメリカのGPXMOTOなどは生産を中国で行っています。有名なヨーロッパメーカーも一部モデルを中国で生産しています」

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