20年後、中国は必ず「分裂」する! 中国の政治学者ら専門家も密かに予測

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画像は「Getty Images」より引用

 新疆ウイグル自治区での中国政府によるウイグル人弾圧に対する世界的な批判は日々強まっている。アメリカ下院で「ウイグル人権法案」が可決し、ドイツのサッカーチームは中国のサッカー学校運営から撤退を決め、欧州議会は服役中のウイグル人学者に人権賞を授与。トルコでも中国領事館前で抗議デモがあった。

 国際世論を意識したか、先ごろ中国共産党広報誌「人民網」は「新疆自治区における再教育が終了した」と発表したが、裏を返せば中国政府がウイグルで思想矯正プログラムをやっていたことを認めたようなもの。

 ウイグル自治区は中国の最も奥地、中央アジアに位置してイスラム教が主流、人種的にもウイグル人が多く、東洋人というよりはトルコ人に近い。中国は様々な人種が入り乱れた多民族国家であり、同じ中国語でも互いにほとんど通じないところもあるなど多種に分かれ、戸籍簿に「民族」の記入欄があるほど。60ほどの種別は92%を漢民族が占め、残りの55を少数民族と呼ぶが、ウイグルもここでは少数派だ。ただ、少数民族といってもあくまで中国全土に対する数であって、指定された区域内で独自言語の使用や警察権、限られた範囲の司法権など特例措置を受ける小国レベルの規模もある。たとえばモンゴル本国ではほぼ消滅してしまったモンゴル文字が、中国内モンゴル自治区では使用される逆転現象もある。大学進学でも、民族によって点数の優遇もあったりするから、漢民族でありながら、別の種族を名乗るなどの不正行為も起こっている。

 そこでは当然、自治権の強化を目指して独立運動も存在する。中国が弾圧するのは、中央政府がこれを恐れているからで、独立主義をとなえる者には分離主義者のレッテルを貼り、矯正する。少数民族の自治区では政治的リーダーが度々、姿を消すことで知られる。結果、ウイグル自治区では百万人単位での強制収容という蛮行に発展した。

 中国人ジャーナリストの李文瑞氏は「中国がとてつもない監視社会となっていてるのも、そのため。以前、日本に最初に行ってまず驚いたのは街に監視カメラがほとんどないことだった」と言っている。

「中国では街中を歩く人すべてを顔認証して個人の移動経路を当局が把握できるようになっています。上海では音声入力で地下鉄の切符が買えるようになりましたが、これは各個人の声紋も把握するためでした。そこまでしないと中国は独立運動を抑え込めないのです」(李氏)

 しかし、インターネットの発達は中東の内乱同様、独立運動を後押しする方向を強める。香港でも現状の「一国二制度」を不満に思う傾向が強まり、一部では「香港独立」を最終目標のように語る人々まで出てきている。こちらも政庁の中心には本国から派遣されてきた要員が就き、自治は形ばかりになったため、その鬱憤が大規模デモに繋がった。

「この香港を見て奮起する少数民族もいます。中央政府の言いなりになっていたら、自治権もいつかは完全に奪い取られてしまうという恐怖心が強まったのです」(李氏)

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