20年後、中国は必ず「分裂」する! 中国の政治学者ら専門家も密かに予測
それが特に大きいのが内モンゴル自治区、チベット自治区、新疆ウイグル自治区で、この3つを合わせると中国本土の3分の1にも相当するが、それだけではない。内モンゴル自治区はレアメタルの生産地で、ここ10年は20%近い経済成長率を維持し、高山の連なるチベット自治区は主要な水源地帯で、慢性的な水不足に陥る中国がこれを失えば、農業や工業への致命傷になる。中国ではパンダを他国の動物園に貸し出す「パンダ外交」も有力だが、このパンダそのものもチベット族自治州に生息する動物であり、チベットが独立すれば中国のパンダ利権は消え失せる。他に多数の自治地域が仮にすべて独立を果たしたら中国の面積は半分になる。
中国政府はかつて「中国が最大の領土を誇ったときに大きな復権を遂げる」などと宣言したことがあり、ベトナムの一部さえも将来的に中国に吸収するという恐ろしき野望があることから、中国内のベトナム系民族による反発もくすぶる。
「ウイグル地区の騒動は都市部が中心ですが、地方では多くの遊牧民が暮らしていて、トルメキスタンやモンゴルに税関やパスポートなく越境して行き来していることもあります。このあたり隣国の対応次第では、国境の曖昧さが反乱の引き金になる可能性だって捨てきれません」(李氏)
中国の経済発展の中心は沿岸部であるから、民族による分裂があったとしても経済大国の姿が崩れることはないが、香港人の蜂起は着実に人々の意識改革を進め、当局は人民解放軍の投入を準備中だ。しかし、強硬手段に出ればアメリカや台湾、インドとの対立を深めるのは間違いなく、李氏は「北朝鮮でさえ国境問題を抱えているので中国側に付くとは限らない」としている。
中国は南シナ海島嶼部の領有問題などでアジア周辺国の反発も強く買っており、いつ実戦の火花が飛び散っても不思議ではない状況。「中国の政治学者ら専門家は、大きな声で言えないだけで、20年後には中国は分裂を避けられないと言っている人がかなり多い」と李氏。そのとき我々日本がどう対するか、考えておかねばなるまい。
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