大麻事件で無罪を取ることは可能なのか? 高樹沙耶×弁護士・亀石倫子×石丸元章「大麻と法律」徹底議論

 ついに高樹沙耶の執行猶予があけて、晴れ晴れしくこの対話を敢行している。記念ゲストは、亀石倫子弁護士。執行猶予の期間中、高樹さんは大麻について様々なことを発言してきた。TOCANAでも大学教授、ミュージシャン、医師、市井の使用者、文学者、反対の人……。たくさんの人々との対話を重ね、積極的に意見を交換してきた。そして今回! ーー大麻取締法は本当に必要なのか? 法律の専門家とともに大きなテーマに挑む。

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★大麻事件で無罪を取ることは可能なのか?

高樹沙耶(以下、高樹) これから先、大麻で逮捕されたとして。無罪を主張して、亀石倫子弁護士と一緒に戦っていったら、勝てることはあるのですか。

亀石倫子(以下、亀石) 大麻で逮捕されての裁判は、無罪を争うものではないと思うんですね。例えば、これまで私が無罪を勝ち取った“クラブ風営法違反ダンス事件”や“タトゥー彫り師医師法違反事件”は、「この事案に、この法律を適用するのはおかしい」という闘い方をしてきました。「クラブは風俗営業ではないだろう」「タトゥーの施術は医療行為ではないだろう」と。

高樹 はい。

亀石 だけど、大麻裁判はそうではない。大麻取締法という法律は、確かにおかしいと思う。でも、法律がある限り、それに違反して大麻を所持したことを無罪にすることはできない。争いようがありません。

高樹 大麻取締法がおかしいという根拠では、有罪/無罪を争いようがないということですか。

亀石 ほとんど無理だと思います。どんなに敏腕な刑事弁護人がついても、どんなに高い弁護費用を支払っても、大麻取締法という法律がある以上、無罪にはならない

高樹 そうですね。この法律ができて70年。不起訴はあっても勝訴した例は一つもありませんからね。

亀石 問題は法廷の外にもあって――國母和宏さんの裁判がそうでしたが、メディアが大麻取締法に関する問題意識をきちんと共有してくれないこともあって、「法律に違反した人間が社会へ物申すとは、おかしい」と、世間から受け止められてしまいがちです。

高樹 あっそれ私……(苦笑)。私もそこが一番の問題だと思っていて、本来行政や社会の問題をマスメディアが指摘したり監視したり、新しい情報を提示しなければいけない役目だったはずなのに、政府や厚生労働省、警察に忖度した広報機関に成り下がっている。大麻に限らず、国や大きな組織の都合がばかりが優先され、TVや新聞など古いメディアの視聴者は情報がアップデートされていない!

亀石 ただ、手をこまねいているだけではいられませんから、他のアプローチを考えていきたいですね。

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