生物学者・池田清彦が「日本の大麻問題」を語る! 多数派の意見を正しいと信じ込む若い人へ…思考停止こそダメ、ゼッタイ!(高樹沙耶・石丸元章)
世界を舞台に研究をしてきたテレビでもおなじみの生物学者、池田清彦氏と高樹沙耶、石丸元章との大麻の真実についての対話。自然界の大麻を根絶やしにようとする日本の大麻厳罰行政は自然界に悪影響をもたらさないか? 新型コロナウイルスに大麻が効くという説の可能性は? 早稲田大学名誉教授、山梨大学名誉教授の池田清彦氏に聞いた。
(前編はこちら!)
高樹 生物学者の池田先生へお聞きしたかったのですが、日本では大麻という植物の自然繁殖すら否定して、自生する大麻も撲滅しようとしています。そのようなことが生態系にも、悪影響を及ぼさないのでしょうか?
池田 そこは、あまり関係ないと思いますよ。というのは──自生している植物を完全に撲滅させることは不可能ですからね。大麻栽培は特別に認められているところもありますし、日本でも北海道や東北など、アサ(大麻草)が勝手に生えているところはたくさんあって、生態系が激変すれば別ですが、アサだけ選択的に撲滅させることは不可能です。どんなに頑張ってもブラックバスを撲滅できないのと同じです(笑)。
石丸 それでも、戦後から現在までの間に、天然の大麻草は激減したと思います。大麻草を好物にしていた昆虫が減ってしまったとか、生態系の変化があるのではないでしょうか。
池田 天然のアサというのは本来存在せず、栽培種が自生しているだけです。アサが沢山栽培されていた頃、害虫がたくさんいて、たとばアサカミキリというカミキリムシはアサの害虫だったけど、栽培面積が激減したので、今は主にアザミを食べて、細々と生きています。栽培植物の栽培面積の増減を生態系の変化というかどうかは微妙です。
石丸 なるほど。自然は強靭なんですね。
●「日本の大麻合法化は医療用から進めていくのがいい」(池田)
高樹 今後、大麻合法化の議論は日本でどのように進めていけばいいとお考えでしょうか。
池田 やっぱり、医療大麻から崩していくのがいいでしょうね。10年代半ばの山本正光医療大麻裁判では、いいところまでいっていたんですよ。残念ながら、被告の山本正光さんは裁判途中の2016年7月に亡くなってしまって、控訴棄却になってしまいましたが……。裁判資料を調べてみたら、裁判所は被告に有利な証拠を採択していたから、無罪になる可能性もあった。もし裁判が続いて、最高裁で無罪が確定したら、法律を変えるしかなかったわけですからね。
高樹 山本正光さんについては、吉岡敏朗監督が『麻てらす番外編ーやまさん余命半年の挑戦ー』という映画を撮影。近く公開される予定です。
池田 いろいろなエビデンスを見てみると、大麻は緑内障や末期がん、線維筋痛症など難治性疾患に効果がありそうなことがわかってきています。たいして効かなくても、ほぼ副作用がありませんからね。ブラシーボ効果もあるでしょうから、日本でも認められていくべきだと思います。
高樹 ブラシーボでなく、実際、効きますよ。日本で合法のCBDも、疼痛に効果があります。また、深い眠りにつけますし、朝の目覚めも心地よい。自分自身の体験から、リューマチなどの痛みに苦しむ年配の方々にこそ、医療大麻を使ってほしいと思います。
池田 わかります。レンドルミンをはじめ、強い副作用がある睡眠薬、睡眠導入剤より、大麻のほうがよっぽどましだと思います。たとえば、レンドルミンは常用していると、ボケてきますからね。
石丸 へええ。眠れないと簡単に処方されている薬です。自分も30代に飲んでいました。
高樹 1年ほど前から、私の身内が睡眠導入剤を処方されているんですが、だんだん元気がなくなってきて、最近では、ほぼ寝たきり状態になってしまって……クスリの副作用かもしれないと疑っています。
池田 もし、処方薬がレンドルミンなら、危ういかもしれません。
高樹 今度、聞いてみます。
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