歴史覆す「コカインミイラ」の謎! 未だ解明できない、ファラオと大麻とコカインの関係!

 古代エジプトのミイラには謎が多い。現在のテクノロジーを駆使することによって、その謎は次々に暴かれてはいるが、いまだに解けない謎もある。

 そのひとつとして、コロンブスがアメリカ大陸を発見する3000年以上前に、エジプト人はアメリカ大陸への航海を行っていたのかもしれないという説がにわかに取り沙汰されている――。

 

■古代エジプトのミイラにタバコが付着していた

ラムセス2世のミイラ。死亡推定年齢は88~92歳と言われている 画像は「Wikimedia Commons」より

 謎の始まりはこうだった。

 1976年、仏パリの自然史博物館のミシェル・レスコット博士が、エジプトのファラオラムセス2世(紀元前1314年頃ー紀元前1224年)の遺骨の一部を調べていたときのこと。

 電子顕微鏡で、ミイラが包まれていた布のサンプルを調べる中で、タバコの葉の粒が繊維に付着しているのを発見したのだ。

 それはまったく驚くべきことであった。なぜなら、当時のタバコは新大陸の土着の植物であり、エジプト人はそれが存在することすら知らなかったはずである。なぜ古代エジプトのミイラに、タバコが付着していたのか。

 この発見は当時、他の学者たちから酷評された。これは明らかに、不注意な学芸員や考古学者によって、ミイラに付着したものだと片付けられたからだ。

 そんな中、レスコット博士の発見に興味をそそられていた、独ウルムの法医学研究所の毒物学者スベトラ・バラバノヴァ博士は、1992年になってラムセス2世の遺体の再調査を試みた。博士は組織のより深い部分からサンプルを採取することで、外部由来の可能性を排除した。

 博士はファラオの腸管からサンプルを抽出し、徹底的に分析した。すると驚いたことに、腸管の細胞自体に、新大陸固有の植物であり、エジプトには存在しなかったはずの大麻、ココア、タバコが含まれていた。念のために、テストを2回したが、結果は同じだった。博士は他の支配階級のミイラでも、同様の結果が得られるかどうか、確かめることにした。

ドイツ法医学研究所の毒物学者スベトラ・バラバノバ博士 「Mysterious Universe」の記事より

 バラバノヴァ博士の元には、放射免疫測定、ガスクロマトグラフィー、そして質量分析法を行うべく、9体の古代エジプトのミイラが持ち込まれた。それらのミイラは全て、紀元前1000年頃のものであり、アメン神殿に住む巫女や司祭も含まれていた。

 分析の結果、全てのミイラにおいて毛髪、軟組織、骨内にコカイン、ハシシ、ニコチンの痕跡、ならびにコカインとニコチンを摂取したことでのみ得られる代謝の痕跡を発見した。こうなると、もはや偶然では済まされない。

 その意味するところは、コロンブスが発見する3000年以上前から、エジプト人は新世界へ航海していたことを意味すると博士は考えた。

 しかし博士の論文と調査結果は、これまた他の研究者たちから冷たく無視された。科学者たちは、確立された歴史のみを信じ、博士の研究結果はあまりにもとっぴだと考え、辛辣にこきおろしたのだった。

 ところがその後、別のチームも同じ発見をした。ミイラは大麻の有効成分であるテトラヒドロカンナビノールを吸入した可能性が高く、ニコチンとコカインも摂取していたと発表したのだ。

 バラバノヴァ博士はその後、数十体のミイラを研究した結果、それらの78%に微量のコカインの痕跡を見つけた。また、年の若いミイラほど、体内にコカインの痕跡がある可能性が高く、より濃度が高い、ということもわかった。

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