「水道水に向精神薬を混入」科学者がガチで実験へ! みんな“微ハイ”で自殺率低下、犯罪抑止に(最新研究)
2020.08.11 18:00
その後、リチウムの気分高揚作用は医学界からも注目されるようになり、現在では、リチウム塩は「気分安定薬」として躁うつ病や双極性障害の患者に処方されるようになった。特に自殺リスクの低減効果が高いとされる。リチウム塩は、薬事法で劇薬に指定されている。
研究チームは次のステップとして、今回の仮説を実証するために、精神衛生状態が悪く、暴力的な犯罪活動、慢性的な薬物乱用、自殺率などが高い地域で、水道水にリチウムを入れるランダム試験を行うとのことだ。
また、最近の研究では、リチウムがアルツハイマー病やその他の認知症の発症率を下げることが分かり、認知症リスク低減のためリチウムを予防的にする可能性も出てきているそうだ。水道水を飲むだけで予防できるなら、これほど簡単で便利なことはないだろう。
今回の研究結果を受け、海外メディアなどでは「向精神薬を水道水に投入するよう科学者が提言」などかなりセンセーショナルな見出しが踊っている。ただ、地域の精神衛生を向上させるという名目で人々の精神を操ることには倫理的な問題もあるだろう。今後の研究を注意深く見守っていきたい。
参考:「King’s College London」、ほか
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