半沢直樹で読み解く「フィンセン文書」がヤバイ! ロスチャイルド、チャイナマネー、米大統領選と本当の黒幕…徹底解説!

 そこで浮上するのが2つめの可能性である。今回のフィンセン文書の内容を分析すると、マネーロンダリングの疑惑があると名指しされた組織は、圧倒的にイギリス企業や団体が多い。全体のうち実に622件がイギリスの組織である。そしてイギリス系のスタンダードチャータード銀行とHSBCが、リストの中で重要な位置を占めているのだ。

画像は「Getty Images」より引用


 スタンダードチャータード銀行は世界第五位の銀行で、旧大英帝国の版図でビジネスを広げている。歴史的には、南アフリカで勢力を広げたスタンダード銀行とインドから上海へと勢力を広げたチャータード銀行が合併したもので、香港ドル発券銀行、つまり香港の中央銀行のひとつでもある。創立はイギリスの銀行家の手によるものだが、現在の筆頭株主はシンガポールの政府系ファンド、つまり中国系である。

 そのスタンダードチャータード銀行は、2000年代のマネーロンダリングへのさまざまな関与が表面化していることで当局から目をつけられている。日本では闇金で知られた五菱会事件への関与もそのひとつだし、近年ではアラブ銀行がテロリストへ資金を流すプロセスに協力したことで疑われている。ちなみに、元イギリス首相のジョン・メージャーはスタンダードチャータード銀行の会長秘書から政界入りしている。

 HSBCホールディングスの前身である香港上海銀行は、スコットランド人トーマス・サザーランドがアヘン戦争後にイギリス植民地となった香港に設立した銀行で、スタンダードチャータード銀行同様に香港ドルの発券銀行の地位を占めている。現在でも、中核となる香港上海銀行の筆頭株主は海運や貿易に力がある香港財閥のスワイヤー・グループである。

 これら2つの銀行はロンドンのシティに本拠を置き、陰謀論的に見ればロスチャイルド家やクーン・ローブ、モルガン商会とともにシンジケート団を組み金融によるアジア支配に手を染めてきた歴史がある。

 つまり、フィンセン文書の先にあるのは、イギリスの顧客とロンドンの銀行家、そして中国をつなぐ現在進行形で拡大するマネーロンダリング経路の疑惑なのである。その追跡が行き詰まったことで、アメリカ政府自体が途中まで作成した資料をメディアに公表した。そのターゲットはチャイナコネクションにあるというのがもう1つの可能性なのである。

 ではフィンセン文書を機に、新世界秩序と中国政府が手を結んだ錬金術が白日の下にさらされることはあるのだろうか。おそらくそこまでは行き着けない。けれども、陰謀論に登場するイギリスの銀行家たちをアメリカ財務省が追い詰めている事実はあるようだ。実際、その追及からのがれるべくHSBCは本社をイギリスから香港に移す計画を検討している。

 ただアメリカ当局にとって歯がゆいことに、2つの銀行の香港の拠点は最終的に攻め込みにくい場所にある。検査に出かけようにも軟禁されるリスクがあるのだ。香港・中環の両行の本店ビルの至近距離には巨大な中国人民解放軍の駐在拠点があり、いつでも6000人の兵力が金融中心(セントラル)を固めることができるようになっているからだ。

文=王山覚

グローバルコンサルティングファームに勤務するビジネスウォッチャー
Twitter:@MTRM3vnXDvjQrE6

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