【ノーベル物理学賞受賞】ペンローズ博士のもう一つの“オカルト研究”「死んだら意識は宇宙に放出され、未知の世界に行く」

 今年のノーベル物理学賞に英オックスフォード大学のロジャー・ペンローズ氏、独マックス・プランク地球外物理学研究所のラインハルト・ゲンツェル氏、米カリフォルニア大学のアンドレア・ゲッズ氏が選ばれた。ブラックホールに関する研究が評価されての受賞だ。

 ブラックホール研究はペンローズ氏の大きな業績の1つであるが、彼にはもう1つ主要な研究テーマがあることをご存じだろうか? 氏のノーベル賞受賞を機に「ペンローズの量子脳理論」についてもう一度おさらいしておこう。

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【ノーベル物理学賞受賞】ペンローズ博士のもう一つのオカルト研究「死んだら意識は宇宙に放出され、未知の世界に行く」の画像1
画像は「Daily Grail」より引用

 イギリスの世界的理論物理学者ロジャー・ペンローズ氏が、米人気コメディアンが司会を務めるポッドキャスト「ジョー・ローガン・エクスペリエンス」(2018年12月18日)に出演、意識と量子力学の関係を力説した。

 ペンローズ氏が意識に興味を持つようになったのは、ケンブリッジ大学で数学を研究していたときだったという。意識には機械的な計算以上の何かがあるに違いないと思うようになったそうだ。

【ノーベル物理学賞受賞】ペンローズ博士のもう一つのオカルト研究「死んだら意識は宇宙に放出され、未知の世界に行く」の画像2
『皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則』(みすず書房)

 そして、意識の謎を解明するために取り組んだ仕事が、『皇帝の新しい心―コンピュータ・心・物理法則』(みすず書房)の執筆である。ペンローズ氏はこの本を完成させる頃には、意識についてかなりのことが分かるようになっているはずだと期待していたが、謎は深まるばかりだったという。

 だが、この本の出版がペンローズ氏をある人物と結びつけることになる。麻酔科医のスチュアート・ハメロフ氏だ。ハメロフ氏は「マイクロチューブル(微小管)」という細胞内の器官が意識の源ではないかと以前から着目しており、ペンローズ氏にその存在を知らせたのだ。

 ペンローズ氏の方は「またわけの分からない話か」と最初は思ったそうだが、よくよく調べてみると、マイクロチューブルが量子力学と相性が良いことが分かり、今では意識の発生因ではないかと考えるようになったという。

「ハメロフはマイクロチューブルが、量子情報の貯蔵場所であり、意識の発生に関して極めて重要なものだと考えていますが、私も彼に同意します」(ペンローズ氏)

 ペンローズ氏は、意識がマイクロチューブルという物質から発生していることは不思議だとしつつも、ボールが空間を移動するような単なる物理現象に還元できないものであるとも認めているようだ。過去にトカナでも報じたが、ペンローズ氏とハメロフ氏の2人は肉体の死後、このマイクロチューブルから量子情報が宇宙に放出されるとも主張している。

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