【やはり】手書きで勉強した子どもの方が「はるかに頭が良くなる」と最新研究で確定! 脳活動に大差、デジタル学習で“脳力喪失”

 古くは仏典を書き写す写経という“修行”があるように、学習の基本はその内容を筆を走らせて書くことにあるともいわれている。キーボードとタッチスクリーンが全盛になった現代において、ペンを握り文字を書くことの重要性があらためて見直されているようだ。特に児童教育において手書きは脳の発達に欠かせない作業であるということだ。


■手で文字を書いている時には脳活動が活発に

 社会のデジタルトランスフォーメーションが叫ばれ、教育の現場においてもデジタル教材が導入されはじめている今日にあって、自分の手で文字を書く機会はどんどん減っているともいえる。

 子どもたちの“スクリーンタイム”もここ10年に2倍にもなり、ペンを走らせる時間よりもタッチスクリーンを操作したりキーボードを打ったりする時間が長くなっているともいわれている。

 ノルウェー科学技術大学(NTNU)の神経心理学者、オードリー・ファン・デル・ミーア教授は、子どもたちが少なくとも最低限の手書きトレーニングを受けられるようにするために、国のガイドラインを整備する必要があると提言している。これまでの研究の結果は、子どもと若者の両方が手で書くときにより多くを学び、よりよく記憶していることを示しているからである。

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画像は「Unsplash」より

 ファン・デル・ミーア教授が率いるNTNUの研究チームが2020年7月に「Frontiers in Psychology」で発表した研究では、12人の若者と12人の子どもたちの脳活動をEEGと呼ばれる機器で調べた研究を発表している。

 脳波の活動を追跡、記録するために250個以上の電極が取り付けられた帽子型の機器であるEEGをかぶった実験参加者は、それぞれ1人あたり45分間をかけて脳活動のデータ収集に協力した。

 脳活動を分析した結果、若年成人と子どもの両方とも、キーボードで入力するときよりも手で文字を書いている時の方がはるかに脳活動が活発であることが示されたのだ。

「ペンと紙を使うと、記憶をつなぐための“フック”が脳に与えられます。手で書くと脳の感覚運動野でより多くの活動が生まれます。紙にペンを押しつけると、多くの感覚が活性化されます。筆記中には書いた文字を見て、ペンを走らせるときの音を聞きます。これらの感覚体験は、脳のさまざまな部分の間の接触を生み出し、学習のために脳を開放します」(ファン・デル・ミーア教授)

 教授は手で文字を書く体験は特に幼い頃において重要であると力説する。つまりあまり早い時期にタッチスクリーンを操作させたりキーボードを使わせることには否定的なのである。学習し始める大事な時期には、まずはペンで字を書き、絵を描くことに慣れることが肝要なのだろう。

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