イエスはマジシャンだった可能性を研究者が指摘! 魔術と奇跡の違いとは… 誰も知らなかった新たなキリスト像
愛と赦しの神であるイエス・キリストだが、当初は宗教家ではなく“マジシャン”であったのかもしれない!? 驚きの最新研究が報告されている。
■魔術と初期キリスト教
神聖なる存在としてキリスト教における信仰の対象であるイエス・キリストだが、人々に知られるようになった当初は“マジシャン”であったことが専門家によって指摘されている。
イタリア・ローマのサンタ・サビーナ聖堂の木製のドアの彫刻装飾には、イエスが奇跡を起こす“杖”が特徴的に描かれている。イエスは乞食のラザロに食事を与えるために、この杖を使ってパンと魚の量を増やし、水をぶどう酒に変えたことが伝えられている。まさに“マジック”だ。
こうしたある意味でショッキングな描写にもかかわらず、初期のキリストの支持者たちは彼を“魔術師”とは見ていなかったという。魔術ではなく“奇跡”であると解釈されたのである。そしてこの時代の魔術師は実は杖を持ってはおらず、このキリストの“杖”は魔法使いが持つような杖とは違ったものであると専門家は説明している。
「(キリストについて)これらのイメージが描かれた時代でさえ、人々は聖書に同意していません。人々には正典がありませんでした。人々はイエスが誰であるかについての解釈に同意していませんでした」と、ケンタッキー州ダンビルにあるセンターカレッジの宗教プログラムの議長であるリー・ジェファーソン氏は科学系メディア「Live Science」に語っている。
それでも 3世紀から8世紀の間の初期キリスト教の時代では、魔術はリアリティのあるものであった。
キリスト教の草創期にはキリストは古代ユダヤ教やローマの神々や女神と並んで存在していたとジェファーソン氏は解説している。
とはいっても魔術は今日の“ハリーポッター”のようなものではなく、人々は魔術に生活上の実益を求めていた。魔術は、病気から愛まで、人々が日常生活の問題に対処するために魔術師に求める呪文を中心としていたのだ。医者から薬を処方されるのと同じように、魔術師の常連客はそれらの呪文を家に持ち帰って暗唱したのだ。もちろんそれを間違って暗唱すると、事はうまく運ばない。
不確実な時代、つまり作物の収穫をほとんどコントロールすることはできず、病気がしばしば“死刑宣告”であった時代において、魔術は人々に物事を制御する感覚をもたらしてくれた。
とはいえ、魔法はユダヤ人や多神教徒から見下されていたとジェファーソン氏は指摘する。魔術は迷信的であると見なされ、ローマ帝国では禁止されていたのだ。人々はそれを個人的に実践し続けたが、宗教指導者はそれを恥ずべき行いと見なしていたことをジェファーソン氏は著書『The Routledge Handbook of Early Christian Art』(2018年)で言及している。
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