イエスはマジシャンだった可能性を研究者が指摘! 魔術と奇跡の違いとは… 誰も知らなかった新たなキリスト像
■キリストは“奇跡を起こすマジシャン”
こうした背景の中で、一部の人々は中傷の意味合いを込めてキリストを魔術師と呼んでいたという。当時、多神教の宗教指導者たちは、キリスト教を魔術のような迷信の一形態と見なしていたのだ。キリスト教を声高に批判した哲学者、ケルソスもまたイエスを魔術師と見なした人々の一人であった。
「つまり朝に集まってこれは血であると言ってワインを飲み、これは肉だと言い張ってパンを食べるグループです。なぜ人々が迷信だと思ったのか理解できるでしょう」(ジェファーソン氏)
しかし、イエスの支持者たちはそうした解釈はしなかった。彼らの救い主は、魔術ではなく“奇跡”を行うと認識していたのだ。些末な問題を扱う魔術とは違い、キリストの“奇跡”は死に逆らうことができる強力な神の行為であるとされていたのである。
「自分が信奉する“現人神”を矮小な魔術師であると呼ばれたくないでしょう」(ジェファーソン氏)
信者たちは頑なに否定するが、この時代の一般的なイメージとしてはキリストは魔術師と見なされていた公算はかなり大きいことが示唆されてくるのである。
そして魔術師・キリストの強大なパワーを人々は認めざるを得なかったという。
イェール神学校の美術史家であるフェリシティー・ハーレイ・マクゴーワンは、イエスが死者をよみがえらせ、人々を癒し、食べ物や飲み物を生産するこうした能力が、キリスト教徒と非キリスト教徒の両方の目から見て、ローマの神々よりも高評価になったと説明している。
彼らは、イエスが死に対して特別な力を持っていると信じており、他の神々を信奉していたとしても、その力を利用する方法としてイエスの名前を使うのだという。
ローマの神々は死者を癒し、延命させることができるといわれていたが、この行為を直接行った神は誰もいなかった。たとえば、ローマ神話の癒しの神・アスクレピウスは夢を通して人々を癒すに留まったが、一方でイエスは患部に手を当てて直接癒すことができた。そしてアスクレピウスが死者をよみがえらせた罪で殺された一方、イエスの場合は死者を蘇生させたことで称賛を受けたのである。
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