グロ画像で「気持ち悪くなる」は気のせいではなかった! 実際に胃に異常… しかし“金銭的報酬”があると意外な結果に…!

■ドンペリドンで嫌な画像に対する“免疫”が高まる

 そこで研究チームは参加者に金銭的報酬をインセンティブとして提供した。嫌な画像を数秒間見つめることができればお金がもらえるのである。

 予想されたように、金銭的報酬というインセンティブが提供されると、嫌な画像に視線を固定している時間は劇的に増えた。報酬があれば嫌な画像を見続けることができるのである。

グロ画像で「気持ち悪くなる」は気のせいではなかった! 実際に胃に異常… しかし金銭的報酬があると意外な結果に…!の画像3
「Daily Mail」の記事より

 最後の課題ではインセンティブがなくなり、参加者は見せられた画像がどれほど嫌悪感を誘発させるかをそれぞれ評価することが求められた。

 インセンティブがないので、再び嫌な画像からは目をそらすようになることが予想され、確かにそうした傾向はあったのだが、興味深いことにドンペリドンを服用したグループはプラセボのグループよりも嫌な画像を長く見ていることが浮き彫りになったのだ。

 ドンペリドンを服用したグループももちろん嫌な画像の“嫌悪度”を高く評価しているのだが、視線の滞留時間はニュートラルな画像を見ている時のマイナス2.5秒ほどであった。一方でプラセボグループではマイナス5.5秒である。

 実験結果から、ドンペリドンを服用することで嫌な画像の影響に対する“免疫”を高めることができることが示されたのだ。

「ドンペリドンを使用して胃の筋肉のリズムを落ち着かせることで、嫌な画像から目をそらす本能を減らすことができることを示しました」とケンブリッジ大学のティム・ダルグレイシュ教授は語る。

 しかしながらこの効果を発揮するためには、インセンティブによって嫌な画像を長く見る一連の体験が必要であったことにもなる。インセンティブがない状態では服用前と眼球運動に違いはなかったからだ。

 世の中にはさまざまな仕事があるが、その中には普通であれば正視できない画像や光景を見ることが要求されるケースもある。あるいは裁判員に選ばれて事件に関する凄惨な画像を見せられることがあるかもしれない。そうした視覚的ショックをこのドンペリドンが幾分かでも緩和できる可能性があるのだとすれば有効な知見となるだろう。もちろん見たくないものは見ないに越したことはないのだが……。

参考:「Daily Mail」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

仲田しんじの記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現実と夢が交差するレストラン…叔父が最期に託したメッセージと不思議な夢

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.11.14 23:00心霊
彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

彼女は“それ”を叱ってしまった… 黒髪が招く悲劇『呪われた卒業式の予行演習』

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.30 23:00心霊
深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

深夜の国道に立つ異様な『白い花嫁』タクシー運転手が語る“最恐”怪談

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.16 20:00心霊
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

グロ画像で「気持ち悪くなる」は気のせいではなかった! 実際に胃に異常… しかし“金銭的報酬”があると意外な結果に…!のページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで