航空機がUFOと遭遇してもパイロットが絶対に報告しない“決定的な理由”とは?

■航空医学

 労働基準法第19条の規定により、傷病入院中の社員は解雇できません。この病気には当然のごとく精神病も含まれるわけで、社員が仕事中におかしくなってやらかして、警察に捕まって措置入院させられると解雇できません。

 従業員が精神病を発症した場合は、症状が治り退院してくるまで解雇できないデッドロック状態になります。このため、某機長は精神病院から退院するまで一年も解雇されませんでした。

昭和58年5月14日

 つまり、パイロットがおかしくなったら、入院する前に解雇しないと解雇できるタイミングを失ってしまいます。かといって、精神疾患を理由に懲戒解雇は法的に無理なので、まだ正気が残っているうちに辞職勧告するか、辞めなかったら窓際に飛ばすしかありません。

 ここでパイロットの場合、解雇できる決定的な理由が一つあります。

 免許の失効です。

 高度な専門性のある資格職の場合は、業務を行うのに必要な免許を失効した場合、雇用主は配転等の解雇回避努力を講じる義務がなく懲戒解雇することができます。

・精神病になったから懲戒解雇はダメ

・精神病になったら免許失効、免許失効したから懲戒解雇はOK

 直接解雇は無理でも、二段論法なら合法的に成立します。

 ところが医師には法的な守秘義務があり、患者が精神病でもそれを雇用主に教えることは犯罪で、下手に教えたら医師免許を失効してしまいます。つまり、精神疾患の診断を受けても、医師から雇用主に知らせることはできないので、本人が診断書を自己申告してくれないと懲戒解雇できません。

 ジャーマンウイングス9525便墜落事故でも、医師から精神疾患の診断を受けていたのに本人が隠していたことが問題になり、守秘義務の例外として通報するように制度改正すべきと言われるようになりました。が、人権問題とか色々出てきてまだ改正されていません。

 日本で逆噴射事件が起きた後に取った対応は、パイロットが必ず提出しなければならない書類である「航空身体検査証明」の検査項目に「精神病」を追加しました。つまり、精神病の診断受けたことを隠せないようにしたのです。このために作られた組織が「一般財団法人 航空医学研究センター」です。

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