【ビル・ゲイツとグレート・リセット】世界ダボス会議で世界の権力者と富裕層が話し合う内容とは?
【ビル・ゲイツとグレート・リセット完全解説】ダボス会議で世界の権力者と富裕層が話し合う内容とは? 地球環境まで人工操作…ケロッピー前田
「いまこそ、グレートリセットのとき」と題された記事で、主宰者シュワブは「パンデミックは、私たちの世界を反映し、再考し、リセットするための稀で小さな機会を与えてくれた」と強調する。
つまり、今回のパンデミックのお陰で、現在の社会や経済のシステムが時代遅れであることがわかり、資本主義システムの大掛かりなリセットを決行できるというのだ。
そのために3つのアジェンダを挙げている。一つ目は、市場のコントロールで、各国政府による税制や規制、貿易などの制度の見直しによって、個別の利益のみを追求するのではない利益を皆に還元する「ステイクホールド経済」を実現していく。
二つ目は、投資のコントロールで、平等で持続可能なものに資金を正しく振り分ける必要がある。大規模な支出プログラムは国家レベルの話になる。
そして、三つ目は、健康と社会の課題に取り組み、公共の利益を尊重するために「第四次産業革命」を推進することを挙げている。この最後のアジェンダにはバイオテクノロジーを駆使したワクチン開発やIT技術を用いた感染追跡アプリや遠隔医療などを含んでいる。
ところで、ここでいう第四次産業革命とは、シュワブが提唱しているもので、具体的には人工知能、ロボット技術、インターネット・オブ・シングス(IoT)、自動運転車、3Dプリンタ、ナノテクノロジーなどのことをいう。2015年のダボス会議で話題となり、同名のシュワブの著書も出版されている。
ちなみに、第四次産業革命に対して、第一次は蒸気機関(1760年代~1840年代)、第二次は電気と流れ作業(19世紀後半~20世紀初頭)、第三次はコンピューター、パソコン、インターネット(1960年代以降)のことをいう。
第四次産業革命として列挙されるテクノロジーは、人工知能が人間を追い越すシンギュラリティが話題になった頃から議論されていた。だが、今年のグレート・リセットで最も重要なポイントは、これらの技術革新が急激に加速することである。
さらにここに、例年のダボス会議で議論されている気象変動や環境問題を加えたものが、会議の大まかな内容と言えるだろう。
では、グレート・リセットは、具体的には一般市民にはどのようにかかわってくるのだろうか?
『大停滞』や『大格差』で知られる経済学者テイラー・コーエンの動画がわかりやすいので紹介したい。
ここで解説されているグレート・リセット(動画は2017年製作)は、今回のダボス会議で議論されるものとまったく同じものではない。とはいえ、進歩と発展を続けてきた資本主義システムが危機的な停滞状態に至ったいま、大きなリセットを施さないと大崩壊してしまうかもしれないという視点は共通する。
コーエンは、資本主義の停滞状態を炭坑にたとえ、有毒ガスの危険を知らせるカナリアを非雇用白人男性やトランプ大統領などに置き換えて説明している。あくまで経済的な視点だが、トランプ大統領は仕事にあぶれた大量の白人男性の代弁者であり、彼らが現在の社会システムから見捨てられていることが問題なのだ。そのため、コーエンはいつの日か、グレート・リセットによって、社会システムの大改革を行う必要があるだろうという。それは大きな痛みを伴うものだが、テクノロジーの進歩やイノベーションの発達によって乗り越えられるのではないかとまとめている。
コーエンの説明で、現在の資本主義システムがもう限界でグレート・リセットがいつか必要になるということはよくわかる。
一方、ダボス会議はパンデミックに乗じて、すぐにでもグレート・リセットに取り掛かりそうな勢いでいささか強引である。本来、社会や経済システムの大変革は国家単位で取り組んできたものであるが、グローバル化が進んだいま、すべては関連しており、全世界レベルでの大規模な変革を一気に押し進めていく必要があるというのがシュワブの主張である。とはいえ、富裕層の決定を各国政府の権力者が受け入れて、実行していくとするなら、一般市民は蚊帳の外だ。
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