「タトゥー裁判、無罪確定」を勝ち取った彫師・増田太輝インタビュー!
「タトゥー裁判、無罪確定」を勝ち取った彫師・増田太輝インタビュー! 5年間の大阪タトゥー裁判を振り返る!
世界はいまだ出口の見えないコロナ禍にあるが、去る9月17日、「タトゥー裁判、無罪確定」という嬉しいニュースがネットを駆け巡った。
5年間続いた大阪タトゥー裁判は、この日、晴れて無罪確定となったのだ。長い裁判を闘い抜いた彫師・増田太輝氏に聞いた。
——無罪確定、おめでとうございます! 長い闘いでした、本当にお疲れ様でした!
増田太輝氏(以下、増田) 長かったようで早かった。裁判を起こしていなかったら、こんなにたくさんの人々と関わることはなかったと思います。本当に多くのご支援をいただき、貴重な体験をさせていただきました。
——もともとは2015年春、太輝さんが「医師でなければタトゥーを入れてはいけない」と医師法違反の罪に問われたことから始まりました。そのことを不服として法廷闘争を展開し、支援団体SAVE TATTOOINGを立ち上げ、東京、大阪、九州などでイベント開催しました。
増田 最初はうまくいかないことだらけでしたが、いろんなところで呼びかけをしていくうちにだんだん支援者も広がっていきました。議員さんに動いてもらうための署名活動でも、約2万3千人分の直筆署名を集めて国会に届けることができました。
——この裁判がなければ、タトゥーについて興味を持ったり、話したりしなった人たちもたくさんいたと思います。ところが、2017年9月、一審・大阪地裁では屈辱的な敗訴となってしまいました。
増田 本当に悔しい思いをしました。弁護団が控訴審に向けて巻き返しを狙い、クラウドファンディングで追加の裁判費用を調達したり、諸外国のタトゥーの法律制度の調査や憲法上の意見書などを作成してくれました。
——日本のタトゥー裁判の動向には世界のメディアも注目していました。アメリカの人気テレビ番組『マイアミ・インク』の新企画『The Tattoo Shop』からのオファーで太輝さんは渡米し、番組内で日本の状況を説明し、タトゥー施術も受けました。
増田 憧れの彫師クリス・ガーバーさんに、裁判中に亡くなった祖父の干支だったイノシシと、自分の出身である沖縄のハイビスカスを彫ってもらいました。一審が敗訴したタイミングで、タトゥーの本場アメリカを訪れることができて、大いに励まされました。
——この5年間で最も印象に残る出来事はなんでしょうか?
増田 長い法廷闘争での最大のクライマックスは、2018年11月の大阪高裁の控訴審判決でした。『無罪』という判決が言い渡されたとき、法廷内がどっと湧いて、裁判官が『静粛に』と声を上げるほどでした。傍聴席が歓喜に溢れる光景は映画のワンシーンのようで鮮明に記憶に残っています。
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