「なにも見せない見世物小屋」の“裏の顔”とは!? 年に一度、西日本の寒村にやって来たヤバすぎる集団の真実
【日本奇習紀行シリーズ 西日本】
最近は宅配業者を装って押し入る手口の強盗による被害が急増しているが、こうした“偽装”は、なにも犯罪者に限った話ではない。本当の目的や素性を偽って接触してくる人々というのは、実に様々な形で、かなり古い時代から少なからず存在していたようだ。
「なにせ、本当の正体を知るまでかなり時間がかかったからね。でも、わかってすっきりしたよ(苦笑)」
かつて西日本に多く出没したという“怪しい見世物小屋”の一味についてそう語るのは、現在は郷里である沿岸部の小さな村を離れ、そこからそう遠くない地方都市にある特別養護ホームで余生を過ごす野村茂雄さん(仮名・81)。野村さんの話によると、彼がまだ子供だった時分、生まれ育ったその海沿いの小さな村には、年に一度、見世物小屋の一座を名乗る一行が立ち寄っていたという。
「昔はね、見世物小屋をやりにくる連中が、結構いたのよ。けど、あそこらに来ていた連中は、なぜかいつも来るだけで何も見せずに余所へ行っちまうんだ」
ご存知の読者も少なくないと思うが、一般に「見世物小屋」といえば、蛇女をはじめとする奇術や、珍しい生き物の剥製などの展示、その他ビックリ人間など、様々な物珍しいものを仮設の小屋で披露する一座を指すが、野村さんの話によると、彼らの住む村に来る一座は、何も見せずにそのまま次の地域へと旅立ってしまうという、なんとも不可解な集団であったのだという。
「ちゃんとね、小屋は建てるんだよ。決まって村はずれの原っぱに。だけども、待てど暮らせど何もやらないもんだから、私ら子供たちは、つまらなくてね」
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