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サーカスの動物たちは本当に虐待されているのか!? 日本中で高まる非難の声、潜入してわかった衝撃の真実とは？

2021.03.12 16:00 文＝深月ユリア

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サーカスの動物たちは本当に虐待されているのか!? 日本中で高まる非難の声、潜入してわかった衝撃の真実とは？の画像4 — 木下サーカス横浜公演にて（写真提供＝深月ユリア）

■現在の木下サーカスの実態に衝撃！

　そこで筆者は、木下サーカスにおけるアニマルウェルフェアの実態を確かめるため、3月6日の横浜公演を鑑賞した。2時間10分（途中休憩10分）にわたる公演のほとんどは空中ブランコや空中大車輪、バイクショーなど人間の「命がけ」ともいうべきショーであり、動物のショーは30分にも満たなかった。

　その動物のショーも、最初はシマウマの群れがグルグルとステージ上を回り、調教師が鞭で合図する動きを見せるもシマウマ達に直接当てているわけではなく、無理な体勢を強いるものでもなかった。問題のライオンのショーでも、台から台へと飛ぶ動きはあるが、その高さは一般的な机や椅子程度。無理な体勢があるようにも感じられなかった。鞭を振るうのは合図のためで、なかなか動かないライオンに対して調教師は腰を抱きしめるように方向を指示。恐怖を煽る調教というよりは、信頼関係を感じられ、ライオンはまるで大きな猫のように見えた。最後に登場したゾウにも逆立ちなどさせず、後ろ足2本で立つポーズは一瞬のことだった。また、A氏が移動方法について問題視したキリンのショーはすでに行われなくなっていた。

サーカスの動物たちは本当に虐待されているのか!? 日本中で高まる非難の声、潜入してわかった衝撃の真実とは？の画像5 — 木下サーカス横浜公演にて（写真提供＝深月ユリア）

　もしかしたら、2019年の動物愛護法改正後に一部の芸がなくなったり、時間が短縮されたのかもしれないが、現時点における木下サーカスの動物ショーを実際に鑑賞した限りでは、アニマルウェルフェアに十分配慮しているようにも見える。サーカス側もそれをアピールしたいのか、木下サーカス入口には、「動物愛護活動」に関する看板が大きく掲げられていた。

サーカスの動物たちは本当に虐待されているのか!? 日本中で高まる非難の声、潜入してわかった衝撃の真実とは？の画像6 — 木下サーカス横浜公演にて（写真提供＝深月ユリア）

　残念ながら世界にはいまだに「動物虐待」というべきサーカスショーが残っていることは確かだろう。木下サーカスも、かつては動物たちの膨大な飼育費をまかなうためにもインパクトあるショーを作り上げ、動物に無理な体勢を強いることがあったのかもしれない。しかし、少なくとも現在は動物たちが「家族のように」扱われ、平穏無事に暮らしていたようだ。いや、むしろこれならば広く動物愛護の観点から応援して良いビジネスかもしれないとさえ感じた。

　そして、サーカスのショー自体、クリリティや芸術性も高くスリル満点で、観客たちは絶賛、コロナ禍でも満席だった。「ミイラ取りがミイラに……」というわけではないが、筆者は今後も木下サーカスでしっかりアニマルウエルフェアが守られているか偵察するためにも、定期的に鑑賞したいと思う。トカナ読者も機会があればいかがだろうか。