NATOのトップ研究者が中国のスパイだったと判明! 中国が求めていた重大情報とは!?
米ニュースサイト「デイリー・ビースト(The Daily Beast)」が、NATOのトップサイエンティストでエストニア国防軍の科学者が、中国のスパイとして有罪判決を受けたと報じた。
■NATOのトップ研究者が中国のスパイに
今回、有罪判決を受けたトム・クーツは、1999年に環境物理学博士号を取得、エストニアのタリン工科大学の海事研究所で数年間勤務したエリート科学者である。彼の専門は地球物理学と運用海洋学で、エストニアの有名な科学研究グループの一員として数々の有益な研究を発表し、表彰されたこともあった。
その後、トム・クーツはNATO(米、カナダ、ヨーロッパ諸国で結成された軍事同盟)から誘われ、NATOの研究機関で働き始めた。NATOでの研究は、水上艦および潜水艦に関連するものだったという。
着々と研究を進め、トップサイエンティストになったクーツは、2006年から国防部門に直接関与するようになった。彼は、国防省の科学委員会のメンバーに指名され、この委員会は国の軍事研究開発を監督するものであった。その出向の一環として、彼はイタリアに本拠を置くNATO海底研究センターの科学委員会のメンバーにもなり、2018年から2020年まで、CMRE(the Centre for Maritime Research and Experimentation)として知られる組織の副社長を務めた。CMREは海洋科学、モデリングとシミュレーション、音響学、その他、最先端の科学研究を行っている組織である。
NATOにおけるクーツの役職は、エストニアとNATOの機密軍事情報に直接アクセスする機会を彼に与えることになった。彼は14年前からNATOの機密情報の取り扱い許可を持ち、逮捕時には国家機密にアクセスできる権利さえ持っていた。
今回、クーツのスパイ行為を検挙したエストニアの諜報機関KAPOの副所長で、防諜最高責任者であるアレクサンダー・トゥーツ氏によると、クーツは2018年から中国軍事諜報機関のために働いていたという。
エストニア国防諜最高責任者トゥーツ氏は「デイリー・ビースト」紙とエストニアの「Delfi」紙に「彼のスパイ行為は、古典的な人間の弱点である金銭や承認欲求などに動機付けられていた」と答えた。
クーツは中国のスパイ・リクルーターから現金で支払いを受けたほか、アジア各国でラグジュアリーホテルに宿泊、ミシュランの星付きレストランで食事等の供応を受けていた。この事件の検察官インナ・オンブラーは、クーツが少なくとも約2百万円を稼いだことを確認した。
トゥーツ氏によると、クーツは中国に機密軍事情報を渡す前に逮捕されたという。
「クーツは機密情報にアクセスできる地位にあり、それがクーツを早い時点で逮捕する事に決めた理由の1つでした」とトゥーツ氏は述べる。
トゥーツ氏は「クーツが中国にどのような情報を提供したかを説明することはできないが、エストニア国家またはNATOの秘密を裏切ることはできなかった」と付け加えた。
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2024.10.02 20:00心霊NATOのトップ研究者が中国のスパイだったと判明! 中国が求めていた重大情報とは!?のページです。中国、逮捕、スパイ、諜報機関、三橋ココ、国防、気候変動、エストニア、NATOなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで