人は誰でもたった10週間で超能力「エコーロケーション」を獲得できると判明! コウモリやイルカと同じ… 音波を発して周囲を把握!

 我々は案外簡単に“超能力”をマスターできることが最新の研究で報告されている。自分が発した音の反響で周囲の立体的な構造を把握する“エコーロケーション”のスキルを身につけられる10週間のトレーニング法が開発されたのだ。

■「エコーロケーション」スキルを10週間で習得

 コウモリやイルカは人間にはない“超能力”を備えている。それは発した音の反響をキャッチすることで、周囲の物体の距離、方向、大きさ等を検知する能力「エコーロケーション(echolocation)」である。

 夜行性のコウモリは、このスキルを使用して暗闇の中でも食べ物を見つけることができる。この能力はオブジェクトの位置やサイズと形状を判断するのに役立つのだ。

 普通に考えてなかなか想像がつかない“超能力”だが、このエコーロケーションは訓練次第で我々にも習得可能だというから驚きだ。しかもわずか10週間でマスターできるというのだ。

 英・ダラム大学の研究チームが2021年6月に科学ジャーナル「PLOS One」で発表した研究では、人々がエコーロケーションの能力をどのようにして習得できるのかが詳しく調査されている。

 研究チームは人間がこの技術をたった10週間で習得できることを発見し、失明した患者には運動性と自律性を改善するために、エコーロケーショントレーニングを処方する必要があると言及している。

 具体的には舌打ち音を発生させてその反響を敏感に感じ取るスキルである。舌の中央または前部を口蓋から鋭く引き抜くことで発生させた舌打ち音(クリック音)を1秒間に1回か2回鳴らし、その反響音で周囲を“見る”のである。

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「Daily Mail」の記事より

 反響音は脳の視覚処理領域を活性化し、マスターすると脳内に3次元のイメージを作成できるようになるということだ。

 21歳から79歳までの12人の視覚障がい者と14人の健常者が 研究チームが用意した10週間のトレーニングプログラムに参加し、1日2~3時間のトレーニングセッションを行った。視覚障がい者についてはトレーニングが日常生活に与える影響を評価するために、3カ月間の追跡調査も実施された。

 10週間後、研究チームは視覚障がい者と健常者の両方がエコーロケーション能力のすべての測定値で大幅に向上し、トレーニング終了時にエコーロケーターの専門家に匹敵するパフォーマンスを見せる参加者も出現したという。

 やや意外なことに、若干ではあるが健常者のほうが視覚障がい者よりも成績が良かったのだが、これは健常者のグループの平均年齢が若く、両耳の聴力が優れていることでより適切に説明できるということだ。

 しかし重要なことは、年齢も視覚障がいの有無も、参加者の習得率や、訓練されていない新たなタスクにエコーロケーションスキルを適用する能力の制限要因にはならなかったことだ。

 さらに追跡調査では、視覚障がい者の参加者全員が移動性が向上したと報告し、83%が自律性と幸福感の向上を報告したのである。

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「Daily Mail」の記事より

■確実に習得できる興味深い“超能力”

 今回の研究結果は、舌打ち音のエコーロケーションを学習する能力は、年齢や視力のレベルによって強く制限されないことを示唆しており、視覚障がい者や進行性視覚障がいの初期段階にある人々のリハビリテーションに好影響を及ぼすことが示されるものになった。

「私たちの研究に参加した人々は舌打ち音のエコーロケーショントレーニングが可動性、自律性、何より健康に良い影響を与えたと報告し、研究室で観察された改善が研究室の外でのポジティブな生活上にプラスの効果があったことを証明しました」と研究を主導したローア・セイラー博士は語る。

「私たちはこの研究結果に胸を躍らせており、機能的な視力はまだ良好であるが、進行性の退行性眼疾患のために将来視力を失うことが予想される人々に舌打ち音のエコーロケーションに関する情報とトレーニングを提供することがふさわしいと感じています」(ローア・セイラー博士)

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