【必読】ゴミ屋敷で孤独死した漫画家の遺作『生ポのポエムさん』に震える! 生々しいフリーランスの現実と最期のメッセージとは!?
原画の入った袋も整理されておらず、遺稿の捜索は困難を極めた。
僕はしばらくゴミ屋敷の清掃の仕事をしていたから分かるが、ゴミ屋敷の中から意中のモノを探すのは本当に大変だ。部屋中すべてくまなく清掃していけば出てくる可能性は高いが、ササッと探して見つけるのはかなり難しい。
そう言えば先日、孤独死があった部屋の清掃を体験した。ワンワンと無数に飛び回るハエ。ズルリと抜け落ちた頭髪。黒いドロドロとした液体。死臭がきつすぎて息もできなかった。孤独死の悲惨さを味わい、フリーランスで独身の我が身に将来訪れるであろう悲劇を想像して怖くなった。
ただし吠夢氏の亡骸は、非常にきれいだったという。氏の両親によると眠っているかのようだったそうだ。厳冬の2月という季節が味方したのだろう。不幸な結末だが、両親がきれいな状態の遺体を引き取れたのは良かった。
閑話休題。清掃をはじめて1時間が経過した。2人がかりで汗をかきながら探し回っても見つからなかった。
その後の予定もあるので諦めて部屋を後にしようと話していたその時、過去の原稿が大量に詰め込まれたゴミ袋の中から『生ポのポエムさん』の第1回原稿と新連載のためのネタ帳ノートが見つかった。
「運命的なものを感じましたね。僕は神や仏のたぐいは信じないんですけど、この時ばかりはナニかが原稿に導いてくれたのかなと思いました」
原稿の出来は正直、全盛期からは程遠かった。病気の影響か、ところどころ激しくデッサンが狂っていた。内容も50代の漫画家が貧困と病気に耐えかねて、練馬区役所の福祉事務所に行き生活保護の手続きをする…それだけの話である。
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