宇宙移住のため「人類クマムシ化計画」始動! 学者が“遺伝子統合”成功、ハンパない放射線耐性を確認!(最新研究)

 少しずつ、しかし着実に実現の時が迫っている「人類の火星進出」だが、地球外での長期滞在に我々の身体は耐えらえるのだろうか? 近未来の宇宙開拓時代にあってカギを握るのが、人体の“クマムシ化”であるという。


■ゲノム編集による人体の“クマムシ化”

 地球上で最もタフな生き物の1つであるクマムシは、驚くべきことに宇宙空間でも生きられることが実験で確かめられている。

 さまざまな放射線が飛び交う宇宙空間でも耐えられるクマムシの放射線耐性は、地球上の生物としてズバ抜けており、その秘密はクマムシ固有のタンパク質「Dsup(Damage suppressor)」にあることがわかっている。

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「Daily Star」の記事より

 米・コーネル大学の遺伝学者であるクリス・メイソン教授は、将来の火星入植者が“死の惑星”の過酷な環境でサバイバルするためには人間の遺伝子の“修正”が必要になると予測しており、そのための取り組みにすでに着手している。

 NASAのかつてのミッションで宇宙滞在が人体に与え得る影響を探った「Twins Study」の主任研究員であったメイソン教授は、宇宙旅行のために人間の遺伝子を実験的に修正する研究をすでにスタートさせている。教授は宇宙飛行士が長距離の宇宙旅行で被る放射線からDNAを保護するために、クマムシのDsupに着目した。

「私の研究室では、Dsupとヒトゲノムを新しい細胞株で恒久的に統合しました。これらの細胞に大量の放射線を照射すると、未編集の細胞と比較してDNA損傷を最大80%低減できます」(メイソン教授)

 遺伝子編集による人体の“クマムシ化”が宇宙開発において急務の課題であるということだ。教授は我々の種の生存を確保するために、必要に応じて遺伝子組み換えを行い、環境に適応する責任があると熱心に信じている。地球外の環境に適応するための遺伝子編集は人類の責務であるというのだ。

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クリス・メイソン教授 「Daily Star」の記事より

■遺伝子組み換え細菌を土壌に導入して惑星の大気を変える

 メイソン教授はさらにCRISPRのような遺伝子編集ツールが、将来の宇宙飛行士が深宇宙での宇宙線の長期的な影響を乗り越え、入植者が月、火星、そして土星最大の衛星・タイタンで繁栄するのにどのように役立つかについても説明している。しかし、そこにリスクがないわけではない。

「既存の生物学的システムに遺伝子を追加するときはいつでも、予期しない変化を生み出す可能性があります。他の突然変異が出現したり、遺伝子発現の調節に変化が見られるかもしれません。がんのリスクもあるかもしれません。したがって、この種の作業すべてを適切に監視する必要があります」(メイソン教授)

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