不死身の日本兵・舩坂弘の衝撃実話!! どんな傷も翌日回復、敵兵1万に1人で突撃、戦死の3日後に蘇生… 「まだ死なせてもらえないのか!」

■傷口から大量の蛆、そこに銃弾埋め込む まだ死なせてもらえないのか!!

 いくら不死身の分隊長とはいえ、補給も食料もない状態で満足な治療を受けられず、傷は化膿し、大量の蛆(ウジ)が湧いた。鬼の舩坂は、伝えられるところによると、近くで死んでいた仲間が身につけていた銃弾を化膿した部分に埋め、自ら点火させ炎症が広がるのを防いだという。

 長期に及ぶゲリラ戦も虚しく、圧倒的な戦力の差に、徐々に日本軍は追い込まれていった。味方陣地である洞窟内は、自決の手榴弾を求める重傷者の呻き声が響きわたり、生き地獄の様相を呈していた。舩坂も敵の銃弾が腹部を貫通し、もはや這うことしかできなくなった。いったんは引いても容赦なく湧いてくる蛆に、とうとう「蛆に食われて死ぬくらいなら、もはやこれまで」と、自決を決意するのであった。

 この時舩坂は極度の栄養失調と失血で、両目もほとんど見えなくなっていた。まさに死と隣り合わせの状態である。自決用の手榴弾を置いて、舩坂は遺書を書くのであった。

「若年で死ぬのは、親孝行できず残念です。靖国に行ってご両親の大恩に報います。国家危急存亡のときに、皇天皇土に敵を近づけまいと奮戦したのですが、すでに満身創痍となりました。天命を待たず、敵を目前にして戦死するのはくやしいけれど、すでに数百の敵を倒したので、自分は満足しています。七たび生まれ変わって、国難を救わんと念願し、いま、従容として自決します。思い残すことはありません。 陸軍軍曹 舩坂弘」

 ところが手榴弾のピンをはずすも不発。「なぜ死ねないのか、まだ死なせてもらえないのか!!」と、死ねなかったことに絶望にした舩坂は、「一矢報いてやる!」と米軍司令部に単身乗り込むことを決意する。

■ランボー顔負け 約1万人の敵兵の中に1人で乗り込む

 この時、米軍指揮所周辺には歩兵6個大隊、戦車1個大隊、砲兵6個中隊や高射機関砲大隊など総勢約1万人が駐屯しており、舩坂はこれら指揮官が指揮所テントに集まる時を狙い、待ち構えていたのである。もはや1万人対1人の肉弾自爆である。瀕死の状態にもかかわらず、手榴弾6発を身体にくくりつけ、拳銃1丁を持って3日間寝ずに這い続け、前哨陣地を突破。4日目には米軍指揮所テント群に20メートルの地点まで潜入していた。

 この時、舩坂が受けた負傷は戦闘初日から数えて大小24カ所に及んでおり、このうち重傷は左大腿部裂傷、左上膊部貫通銃創2カ所、頭部打撲傷、左腹部盲貫銃創の5カ所、さらに右肩捻挫、右足首脱臼といった大ケガを負っていた。また、長い間匍匐(ほふく)していたため、肘や足は服が擦り切れてボロボロになっており、さらに連日の戦闘による火傷と全身20カ所に食い込んだ砲弾の破片によって本来なら動くこともままならない状態であった。

 米軍ジープが続々と司令部に乗り付けるのを見て、右手に安全栓を抜いた手榴弾を握り締め、左手に拳銃を持ち、全力を絞り出し、茂みから立ち上がった。幽鬼かゾンビのようないでたちに、米兵たちも目を疑うほどであったという。

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