不死身の日本兵・舩坂弘の衝撃実話!! どんな傷も翌日回復、敵兵1万に1人で突撃、戦死の3日後に蘇生… 「まだ死なせてもらえないのか!」

■戦死と判断されるも、3日後に蘇生!?

 茂みから出てきた舩坂は米兵によって、頸部を撃たれて昏倒し、戦死と判断される。すでに伝説となっていた舩坂に対し、米軍軍医は、無駄だと思いつつも野戦病院に運び、死体安置所に置いた。この時、軍医は手榴弾と拳銃を握り締めたままの指を一本一本解きほぐしながら、米兵の野次馬に向かって、「これがハラキリだ。日本のサムライだけができる勇敢な死に方だ」と語った。

 ところがである。3日ほどして、舩坂は死体安置所にて息を吹き返し、むっくりと起き上がったのである。これには監視の米兵も恐怖に凍りついたという。もはや敵ながら米軍も舩坂に対し、敬意さえ払うのであった。

 その後、米軍の治療を受けて歩けるまで回復すると、重傷者の病棟の警備が甘いのをいいことに、看守の目を盗んで脱走してしまうのである。そして戦場に散乱する日本兵の遺体から火薬だけ抜き取り、1キロも離れた米軍弾薬庫まで匍匐前進し、爆破してしまうのである。爆破後は来た道を戻り、翌朝の自軍の点呼に何食わぬ顔で参加している。もうここまでくると、舩坂は本当に人間なのか疑わしいほどだ。

 その後、舩坂は再び捕まり、捕虜になる。そして、ペリリュー島捕虜収容所を去り、グアム、ハワイ、サンフランシスコ、テキサスと終戦まで収容所を転々と移動し、1946年に日本に帰国した。


■帰国

 故郷である栃木の実家では、45年12月に舩坂の戦死公報が届けられていたため、誰もが戦死したものと思っていた。ボロボロの軍衣で帰還した実家で、ご先祖に生還の報告をしようと仏壇に合掌したら、そこに真新しい位牌があって、「大勇南海弘院殿鉄武居士」と戒名が書かれていたという。村の人々も、帰ってきた傷だらけの舩坂を見て、これは幽霊に違いないとしばらく噂した。

■戦後、センター街のあの店が…

 その後舩坂は、戦争での強烈な体験から、自分の目で見てきたアメリカのあらゆる先進性を学ぶことが、日本の産業、文化、教育を豊かにすることではなかろうかと考え、焼け野原となった東京・渋谷駅ハチ公前の養父の地所に、わずか一坪の書店を開くのであった。これが、渋谷に来たら誰でも目にする「大盛堂書店」に発展するのである。舩坂は書店経営の傍ら、『英霊の絶叫・玉砕島アンガウル戦記』『血風 二百三高地』『ペリリュー島 玉砕戦』『サクラ サクラ ペリリュー島洞窟戦』『硫黄島 ― ああ!栗林兵団』『殉国の炎』『聖書と刀 ― 太平洋の友情』『関ノ孫六・三島由紀夫その死の秘密』などの本を出版。剣道を通じて親交があった三島由紀夫が帯を書いたものもあった。ちなみに本の印税は「世界中の人々に役立ててほしい」と、全額国際赤十字社に寄付したという。

 日頃、渋谷のスクランブル交差点を利用する筆者には、なかなか意外な話である。今は若者の街となってしまった渋谷であるが、そうした歴史の積み重ねがあって今があるということを忘れてはならないと再認識させてくれる。先人たちの教えから学ぶことは尽きないと、しみじみ思うのである。

文=アナザー茂

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